阪神、中日優勝争い、これこそ「タイガー&ドラゴン」

台風が関東を襲った日、朝刊で杉浦日向子、夕刊で岡八朗の逝去を知る。ここんところ、こんなことばかり書いてる気がするな。杉浦さんは、もう8年くらい前か、「UNO」朝日新聞、の著者インタビューでお目にかかった。取材依頼のとき、お母さんが電話を受けられ、いま日向子はそういった取材はお受けしていない、と言われたが、「じつは、うちの娘の名前を、日向子さんからもらった」と言うと、スイッチが変わり、OKをもらった。そのとき、本名だと思っていて、取材のさいも、その前提でまた娘の話をしたのだが、今日の死亡記事を読むと、本名は鈴木順子という。出たばかりの本に、特に岡崎日向子さまへ、杉浦日向子とサインしてもらったのが、いまや宝物となった。
岡八朗は、テレビでよく見たなあ。吉本新喜劇。「目は人間のマナコなり」という名言を遺された。「ただいま、御紹介にあずかりました」と、こう書くとなんでもないセリフが、岡が言うと爆笑になるのだった。数年前、NHKのドキュメンタリーで、吉本新喜劇からはずされ、アル中で苦しみながら、舞台復帰を目指す姿が遷し出されていたが、無残の一語だった。昭和がフルスピードでぐんぐん後景へ退いていく。
TBS用、紀田順一郎先生の『カネが邪魔でしょうがない』の放送原稿を書く。宅急便が3回、生協が1回来て、みな傘なんかささないから、ずぶぬれ。「大変ですね」とそのたび、声をかける。かけたからと言って、頭が乾くわけではないが。
中日がいつのまにか阪神に接近。これこそ「タイガー&ドラゴン」だ、とこれをぼくが考えたらすごいが、考えたのは斎藤美奈子だ。『誤読日記』だ。