サルトル生誕100年だじょー!

今日も起きたのは昼過ぎ。徹夜して、原稿は最後までたどりつけず。根本的にばかだから集中できず、書き込みがどっさりある古本を消しゴムで消したり、無駄なことばかりやってる。サルトル生誕100年ということで、どうも再評価の機運があるようですね。ぼくは海老坂武『サルトル岩波新書を60ページまで読んで中断している。サルトルのおじいちゃんて、シャルル・シュヴァイツアーといって、あのシュヴァイツアー博士の伯父さんなんだって。サルトルは小男だが、作品に出てくる主人公は大男の場合が多い、なんて指摘がおもしろい。
考えたら、日本人の書いたサルトル論、というのが、けっこう文庫、新書で出ている。驚いたのは矢内原伊作サルトル中公新書は1966年に出て、いまでも入手可能だ。ほか、中公新書から、西永良成『晩年のサルトル』は88年、講談社現代新書から白井浩司『サルトル入門』が矢内原本と同じく1966年に出てます。どうやら、このころ、つまり六十年代半ばにサルトルのブームがあったようだ。講談社現代新書からは森本和夫『道元サルトル』なんてのもある。紀伊国屋新書、鈴木道彦『サルトルの文学』、平凡社新書からは澤田直『新・サルトル講義』。これが全部じゃないよ。いちおうな。
人文書院サルトル全集は、よくバラで均一に転がってるような気がしたが、全37册揃いだと田村書店で5万8000円。たぶん版権は人文書院が持ってるんだろうけど、『嘔吐』なんて、ほんとうは新潮文庫野崎歓堀江敏幸の新訳といったかたちで読みたいですね。
午後、「ドゥ・サムシング」の原稿、落語の本3冊を取り上げて紹介。ところがいざ書こうと思ったら、立川志らく『落語は最高のエンターテインメント』講談社がない。あわてて国立「増田書店」へ買いに行く。ついでに8月の時刻表も買った。もう青春18きっぷの期間は始まっているのに、いまのところ身動きとれない。
TBSの今週は紀田順一郎『カネが邪魔でしょうがない 明治大正・成金列伝』新潮選書でいく予定。
古書現世・向井くんから思わぬ暑中見舞をもらった。それは、いつぞやこの日誌で書いた岡谷公二『南海漂泊 土方久功伝』河出書房新社を送ってくれたのだ。こいつはうれしいや。ぼくが日誌で書いた時、ちょうど古書現世にこの本があり、すれ違いで、ほかの客に売ってしまった。それをぼくが咎めて、「なんで、ぼくが欲しいと思うことに気づかないのか」と無体な難くせをつけたのだった。向井くんさんきゅう。
向井くんたち御一行は、この月末、30日にセドリックツアーへ行くらしい。ちょうどその日は、彷書月刊の企画で、ひさしぶりに「がっちり買いましょう」をやる。河内、坂崎、坪内、岡崎というレギュラーに、どうやら石田千さんが加わるらしい、と情報が。
あ、大事なこと。ナンダロウさんから、噂の『チェコマッチラベル』ピエブックスが届きました。どれもいいけど、62ページの、写真を使った「健康」を訴えたマッチラベルがそうとう変でいい。装幀家の方は、いろいろアイデアを借用できそうな、グッドデザインばかりであります。