あれ? 村上春樹、額の生え際が

昨日、書けなかったのだが、「ばかのハコ船」の山下敦弘の長篇デビュー作「どんてん生活」を見ました。これまた、びっくりの傑作だった。やっぱ、この人、ほんものだわ。「ばかハコ」の主演、山下浩司がここでも主演。裏ビデオのダビングが仕事。リーゼントのひさしが、天狗の鼻みたいに長い。バカである。パチンコ屋の開店から並び、そこで独りの若者と知り合い、仕事にひきこむ。って、筋を書いてもどうしようもないんだが、その低くたれこめた空、つまり「曇天」生活ぶりの描写がすごい。山下は日本のカウリスマキって呼ばれてるようだが、たしかに、無計算なような、だるい空気は似ている。大友克洋が描く貧乏な若者、そこに「ガロ」系の漫画をまぶしたような。それでいて、なんか品があるんだよな。不思議なんだ、これが。
今日は一日、仕事。午前中、サンデー毎日の書評(森村泰昌『時を駆ける美術』知恵の森文庫)を書き、午後から、月2回の社説をまとめる仕事。なんだか、ぜんぜん集中力がなくて、いつもの三倍くらい時間がかかる。ちょっとやっては、講談社少年少女向けの『東海道中膝栗毛』を読んだり(太宰の友人だった伊馬春部が書いてる)、なんだかガタガタだ。キース・ジャレットの「スタンダーズ・ライブ」、クロード・ウィリアムソン・トリオの「ニューヨークの秋」など聞きながら。後者はベースがビル・クロウ。おや、すぐわかったかい? そうだよ、村上春樹が彼の本を2冊訳してるだろ。あのビル・クロウだよ。で、解説は村上春樹寺島靖国さんだ。
村上春樹といえば、こないだ『ノルウェイの森』再評価みたいな話が、朝日新聞日曜版の記事に出てた。もう一度、読んでみるかという気にさせたのだから、いい記事だったんだ。もし、読んだら報告しますね。
ウェブサイトの「本よみうり堂」(読売新聞)に、村上春樹の記事があり、どこかの屋上(ベランダ)で撮った村上の近影がある。あれ? 額の生え際がちょっとヤバいんでないかい……。なんだかホットドッグみたいな顔に映っていた。拡大もできるから、一度御覧あれ。
昼間、ホームセンターに車で買物に行く妻につきあい、ついでに合板のでっかい本棚を買ってしまった。昼食はバーミヤン。スブタに玄米ごはん、それに餃子をひと皿。
あ、小谷野敦帰ってきたもてない男ちくま新書を、すごいスピードで読んじゃった。とにかく、読ませるよねえ。それだけですごいことだ。小谷野敦、いつのまにか離婚してたんだね。本に書くと訴えると元妻から言われてるらしく、くわしく書いてないけど。あと、関係ないが、宮台真司のところで、「二○○五年三月、東大名誉教授の娘で二十歳年下の、日本女子大卒の令嬢と結婚した」ってある。あ、そうなんだ。また、「令嬢は敬虔なクリスチャンで、一度デートしたらそれ以外の人とはつきあわないということだと考えていた」っつて。うーむ。しかし、小谷野敦、まだまだ学識が邪魔しているなあ。これは昭和30年代新書で書くようなネタなんだよ。