朝飯は角砂糖、食べ放題

この日記を書くとき、下にリンク元というのが現れる。どういうことなのか、いまだにわからないのだが、その一つにアクセスしたら、「水道橋博士悪童日記」だった。なんで? と思い、読んでいくと、2004年5月30日に、水道橋博士が百瀬博道さんと岡山「万歩書店」を訪れている。その「万歩書店」を説明するのに、ぼくが「彷書月刊」に書いた文章から引用しているのだった。驚いたなあ。水道橋博士が本好きなのは有名な話であるが、古本屋へも行くような人とは思っていなかった。
百瀬さんには一度取材したことがある。礼節を重んじる人だった。「不良日記」に古本屋のことが出てくるので、そんな話をしたら「今度、いい店あったら連れていってくれ」と言われた。それっきり、だが。
高見順『昭和文学盛衰史』を読み返していたら、こんな個所がありました。いま二科という美術展がありますが、かつて「三科」もあった。アナーキストなど革命芸術派が参加したらしい。その解散の会で騒動があった。ハンマー投げの鎖を振り回して大暴れした無茶な画家が玉村善之助(のちの玉村方久斗)。つまり玉村豊男さんの父親ですね。
高見順が学生時代、神楽坂でへべれけになり朝、友人とふらふら歩いていると、『マヴォ』の高見沢路直に出会う。飯を食わせろとねだり、喫茶店へ連れていかれる。高見沢は十銭しかない。三人で注文したのはコーヒー一杯。そのかわり、砂糖入れのポットを一杯にさせ、角砂糖をごちそうしたというのだ。
この高見沢、のちに新作落語を書いていると聞き、高見は驚く。次に「のらくろ」マンガの作者がこの高見沢、すなわち田河水泡であることを知り、また驚く。さらに、「文学界」に小説を書いた高見沢轟江という女性が、「小林秀雄の妹」と聞きおどろき、「田河水泡の細君」と聞かされ、また驚く。驚きっぱなしだ。
ネコと遊ぶ時間が増えている。腕のなかに抱いて、名を呼ぶと、ミャアミャア啼く。かわいい。しかし、じゃれてやたらに足にかみつこうとするのには困るな。
今日は、夕方、スクラップブックを買いに国立へ。自分の書いた書評だけは、送られてきた雑誌から破って、貼付けて保存してある。このところ、さぼりがちで、抜けがあるかもしれない。いつのまにか、9冊目が満杯になり、それで新しいのを買いにいったのだ。谷川書店へ行ったら、珍しく臨時休業。国立「ブ」へはこのところ、毎日のように寄っている。
マーティン・ルイス『ニュースになったネコ』ちくま文庫はどうやら品切れらしい。とうとうネコの本を買い始めた。川村湊満州鉄道まぼろし旅行』ネスコは、文庫化されているが、写真、図版が多く、単行本のほうが見やすい。辻原登『熱い読書、冷たい読書』マガジンハウスは、一度読んで売ってしまったのではないか。買っておこう。丸谷才一ほか『決定版 深夜の散歩』講談社も、見ればほしくなる。アラン『アラン 幸福論』は角川文庫なのだが、図書館用なのか、特製のデザインで、ビニールカバーがかかっている。
もと池袋リブロの荒木さん(現在、中尾さん)からハガキが。帰省する雷鳥号のなかで『古本道場』を読んだ、とある。日本海を眺めながらの読書。なんか、うらやましいな。
ナンダロウ氏の日記が再開しましたね。みんな待ちに待っていた、という感じで、いっせいにアクセスしておるんじゃないか。ひさびさとあって、記述に熱がこもっています。