早稲田へ

古書現世の若旦那、向井くんが『古本道場』20冊を仕入れてくれたと聞いていた。電話して、サイン、イラストを入れにいく。ビッグボックスはときどき立寄るが、早稲田古本街を歩くのはひさしぶり。向井くんと近くの喫茶店へ行き、あれこれ話しながらサイン、イラスト、落款を入れていく。だんだん、角田さんの似顔絵が洗練して、似てくる。だいたい、これで固まった。先日の一箱古本市の興奮さめやらず、しばらくその話。向井くんは、ブログの日誌をていねいにパトロールしているので、あれこれ一箱古本市について書かれた日誌の内容を教えてくれる。「早稲田でも、一箱古本市、やったら」と提案するが、「そりゃ、やりたいっすけど……」と語尾にやや力がない。このあと、三楽書房のアキヒロくんにも同じ提案をするが、「やっぱりあれは、谷中、根津、千駄木という場所があったから、あれだけお客さんが来たんですよ」という。そうなのか。
アキヒロくんは、話すあいだじゅう、ずっとカラカラ笑っていたが、T書店店頭に張り付いているときは、こんなに明るくなかった。よく、行ったんだよ、彼が店番しているときに。あのころは頭はイガグリだし、ちょっと修行僧みたいだったけど、いまはほんとうによく笑う明るい青年だ。三楽でイリン『自然のABC』旺文社文庫300円(200円にしてくれた)を買う。「こんな本を買った」で、これを取り上げることにしよう。
あ、そのほか買った本ね。早稲田では、影山裕子『奥様のアルバイト』カッパブックスを100円。これは、カバーイラストが宇野亜喜良だ。「夫には喜ばれ、社会にも参加できる」てのが副題。昭和39年の刊。ちょっとおもしろそうでしょ。帰り、ささまにも寄って、店頭均一から服部公一『男の洗濯』kkベストセラーズも、カバーとイラストが宇野亜喜良。店内文庫棚から西江雅之『花のある遠景』旺文社文庫210円。ついでだ、国立「ブ」へも寄ろう。安原けん『ファイナル・カウントダウン』、串田孫一『Eの糸切れたり』、忌野清志郎『忌野旅日記』、島尾伸三『東京〜奄美 損なわれた時を求めて』を買う。ディスク・ユニオンで、アン・サリーの新譜『ブラン・ニューオリンズ』をやっと買う。今夜はこれで幸せだ。