上々堂追加!

ハルミンさん、ごめん。麻生と日記に書いちまった。あそう、と打って変換し、そのままチェックすることなしに、やったからだろうな、きっと。あさお、だからね。浅生だ。名前間違えられるってイヤだもんな。ぼくの名も、岡崎武、武司、武史、武士などとよく誤記される。じぶんでは武志という字をいやというほど見てきてなじんでいるから、たったひと文字違うだけで別人みたいな気分になる。そしてちょっと不快になる。だから、ひとの名前を書くときは、注意するのだが、それでもミスるんだ。
妻が風邪でダウン。ブログ日誌を読むと、ナンダロウ、セドローともに体調不良を訴えている。娘が通っている英語教室の先生からも「熱が出たので、今日はお休み」の電話。暑かったり寒かったりする天候の不順がいけないのか。今日は暑かったねえ。
昨日、晶文社から紀田順一郎先生の『書物愛』「日本篇」「世界篇」が届く。書物に関する小説のアンソロジーだ。これは紀田先生ならではの編集。ポプラ社からは関沢英彦『ひらがな思考術』。これはひらがなだけで幼稚園児みたいに表現しよう、というのではない。カタカナ語、漢語で理論武装し、使ったほうも聞くほうもわかったようでわからないまま、上滑りする風潮に、待ったをかけた本だ。なるほどね。角川書店からは金森敏朗『希望の教室』。人と自然とがふれあう実践教育をしている小学校の先生の「いのちの授業ドキュメント」。
午後、三鷹上々堂」へ補充に行く。今日は道が混んでた。連雀通りへ入るとスムーズに流れるのだが、武蔵小金井周辺が工事中ということもあって、だんご状態。渋滞中、山崎まさよしトランジション』をずっと聴いていた。
明日に向かう風が街を通り過ぎて
少しずつ変わってけばいい
いつの日かこの痛みが眠りにつければいい
(「明日の風」)
上々堂には珍しく石丸くんがいた。客買いしてきたばかりの文庫の束が、レジ横に積んである。石丸くん、岩波文庫に力を入れて、特色を出していきたいという。ぼくもこの日は文庫をたくさん補充。目の前で買っていったお客さん(男性)、岡崎堂からお買い上げ。ありがとございまあす。「あの方、店へ入ってきて、まっすぐ岡崎堂の棚をめがけて来られたましたよ。ときどき、そういう人いますよ」と石丸くん。ありがとございまあす。帰り際に石丸くん、爆弾発言。ええええっ! 
帰り、ジョナサンで昼飯くって、小金井「いとう」へ偵察。書くのも疲れるが、ないよ。『風に吹かれて』も源氏鶏太文春文庫も。けっきょく何も買わず。ちくまと中公もずいぶん少なくなったなあ。業者マニアの手が入ると、ここが薄くなる。花小金井「ブ」も、大型店で文庫の量はすごいのに、このちくまと中公は極端に少ない。それで手が入ったことがわかるのだ。ぼくはこれをちくまと中公の頭を取って「チチ指数」と呼んでいる。小型店でも「チチ指数」の高い店もあるのだが。あそことか、あっちの店とか、ね。これ、実名書くと指数が落ちまっさかいにな。そういう店は、単行本の105円の棚も充実しておる。だから、「ブ」へ行くと、まずこの「チチ」をゴン!とチェックするのさ。これを「ゴンチチ」という。なんやネタかい。
妻は高熱。氷枕をつくって、ときどき取り替える。夕方、娘とスーパーへ買物。結局、二人とも弁当を買って済ます。夕食後は立川栄「ブ」だ。これといったものはない。文庫を数冊。野上弥生子『迷路(下)』岩波文庫が見つかった。「上」はすでに買ってあった。丸谷才一『女の小説』に一章費やして解説されていた。読みたくなるよね。中央公論社、「日本の文学」の対談月報を合本にしたのをぼくは二冊持っていて、一冊はときどき風呂に持ち込んで読んでいる。漱石について、津田青楓、安倍能成が語っていて、そのなかで、弟子はみんな漱石を尊敬し頭が上がらなかったが、「おそらく漱石門下で、自分のほうが漱石以上だと自負しているのは、野上弥生子ぐらいのものだ」と安倍が発言している。すごいんだ、野上弥生子。で、いまこの『迷路』は品切れですね。一冊が650ページぐらいあるから、はたして読めるかどうか。
あ、ネコの件ですが、国立村の重鎮、十松くんに教えられ「猫のびょういん」というところで、どうやら世話してもらえそうです。昨日、音羽館の広瀬くんからもらった猫日記、さっそく役立ちそう。あ、いま思いだした。明日、角田さんとABCで対談する三浦しをんさんは、高原書店のバイト経験者。その三浦さんを、バイト面接して採用したのが、なにをかくそう、広瀬くんであります。広瀬くんいわく、バイトの三浦さんは「しっかりしてましたねえ。そして(と、少し言い淀んで)やっぱりちょっと変わってましたねえ」だと。大事だよね「ちょっと変わってる」って。そうでなけりゃ、小説なんか書けるかいって。また、まるっきり変わってても小説は書けない。