『古本道場』増刷だって

おどろいたなあ、今朝、ポプラ社の矢内さんから電話。『古本道場』3000部増刷が決まったという。すばらしい! 書店で買ってくれるのもいいけど、ぜひ5月8日(日)三省堂神田本店(駿河台下)17時からの、角田さんとのサイン会も来てくださいね。「いつも日記読んでます」と、言ってくれれば、特別に角田さんと岡崎武之進のイラストを入れますので、古書価つくこと必至ですぞ。あ、それから、同日午後に開かれる「スムースの会」まだ空きがあるみたいだから、これもぜひおいでください。ブログ仲間でぜひ、お話しましょう。いろいろ特典もありますよ。申し込みはナンダロウさんまで。以上、宣伝でした。
えー、今日はサンデー毎日。国立「ブ」へ顔を出す。あ、これ「くにたち」だからね。「こくりつ」って読まないでね。すごいね、こくりつ「ブ」があったら。店員はみな国家公務員。で、建物は磯崎新の設計だ。まあ、そんな話はどうでもいい。文庫のみ数冊拾う。山本健吉柿本人麻呂河出文庫谷川俊太郎『散文』講談社+α、山崎正和『不機嫌の時代』講談社学術、上原隆『喜びは悲しみのあとに』幻冬舎
電車のなかで『喜びは』を読む。巻頭に打海文三を取材した文章が登場。ぼくも上原さんと同じく、常磐線「川尻」で降り、打海さんが運転する車の助手席に乗り、国民宿舎の喫茶室で話を聞いた。懐かしく思いだす。障害者を扱った『時には懺悔を』は名作。それは打海さん自身が、障害を持った男の子の父親だったからだ。「タイムマシーンに乗って」は、中学三年間、間断なく、容赦なくいじめを受け続けた女性の話。彼女は親にも先生にも告げず、一人、ただだまって嵐の通り過ぎるのを待つ。いまは二十三歳になり、恋人もできた。その彼女が最後に吐くセリフを読んで、車中で、不覚にも涙がこぼれた。
 「ああ、タイムマシーンに乗って、あの頃の自分に教えに行きたい。大丈夫だよって」
上原隆を電車のなかで読んではいけない。
御茶ノ水下車、神保町経由。三省堂神田本店、一階新刊フロアに、あれは何面あったろうか、ずらり『古本道場』が大々的に平積み。サイン会の告知もあり。こっぱずかしくなって逃げようとすると、秋山さんに声をかけられ挨拶。
八木書店店頭で、宇野千代『刺す』新潮社を発見。これが装幀も中の挿絵も佐野繁次郎というありがたいしろもの。それが初版帯付きで400円。タテキンでも船山馨の本で佐野本を見つけるが、それは買わなかった。きりがないからね。書しアクセスで文庫10冊にサイン、イラストを入れる。奥のカーテン裏の作業部屋でサインしているあいだ、畠中さんと客の会話にナンダロウアヤシゲ、麻生ハルミンの名が出てくる。なんや、身内ばっかりや。しかし、ありがたい書店だ。書しアクセスは、われわれ零細ライター(と言ってもいいよね)にとっての灯台だ。
サンデー毎日の仕事を終え、飯田橋へ。角川書店「大人のウォーカー」編集部を訪ねる。編集長は枚2の後輩、玉置くん。編集プロダクションの二人を交え、もっぱら枚方の話をする。女性編集者も関西出身で、楠葉で家庭教師をしていた、という。楠葉はいまや市だが、かつては枚方市(だったと思う)。
帰り、西荻下車。音羽館で『古本道場』20冊にサイン、イラスト。喫茶店でお茶をしながら広瀬くんとあれこれ話す。もう、どんどん日記が長くなるから、今日はこれまで。