鉄道評論家!

福知山線脱線事故、死者がどんどん増えていく。例によって、ニュース、ワイドショーに専門家がひっぱりだこで出演。テレ朝にニュース・ステーションはじめ、出演しているカッパみたいな頭のおじさん、声が大きくてヒステリックな喋り方が耳障り。しかし、あまり流暢に巧みに喋ると、こういう場合ウソっぽいというか、専門家らしくない。ぼくも古本がらみで、解説でテレビ出演を依頼されたら、あんまりベラベラ喋らないようにしよう。しかし、古本がらみでニュースで呼ばれることってあるかね。古本殺人事件ってことになると、紀田順一郎先生だろうし。もしあるとしたら、均一の本に、大事なものがはさまっていて、それが事件に……ぐらいのことか。川島令三さんも鉄道評論家として、あちこちに出演。川島さんにはかつて、取材したことがある。そのころは鉄道なんてまるっきり興味がなかったから、地球物理学の話を聞くのとあまりl変わらなかった。
サンデー毎日の「ふるほん文庫やさん」のグラビア原稿を書く。在庫50万冊のすごさを伝えるため、大書店の文庫売場の在庫数を調べようとまず八重洲ブックセンターに電話するが、担当者が会議中。次に池袋ジュンク堂に電話。こちらも担当者が午後出勤、田口といいます、と伝えられる。「田口久美子さんですか」と聞くと、そうです、と返事。午前中、ポプラビーチで田口さんの書店日記を過去に遡って読んでいたところだったのだ。「このごろは高校時代の学校生活を舞台にした、もしくは底に流れている小説が多いなあ、売れているなあ」という部分に、なるほどと思う。田口さんは例として『ぼくは勉強ができない』『蹴りたい背中』『グロテスク』『野ブタ。をプロデュース』などを挙げている。
午後、田口さんに電話。ジュンクの文庫売場の総在庫は約6万冊。田口さんぐらいになると、なみの作家よりよほど有名だから、ちょいと緊張しました。
昼飯食いついでに、フィルムを一本、近所のキムラヤへ出す。原稿をなんとかあげて、現像した写真を取りにいく。何を撮ったか忘れていたが、久留米で例の地震に遭遇した古本屋、枚方探訪などであった。古本屋関連の写真はまとめておこうと、たくさん収納できるアルバムを一冊買って、整理する。なかには、店主にことわって店内をくまなく撮った写真もあり、貴重な記録だ。われながら、古本屋を撮った写真は見ていて飽きない。買った古本の写真も気まぐれで撮っていたのがあり、それも納める。
遅れているドゥ・サムシング書評を書くため、野田隆『素晴らしき哉、鉄道人生』ポプラ社をメモ取りながらざっと再読。鉄ちゃんの生態を、ジャンル別にそのマニア度の凄さをエピソードをからめて紹介する。これがすごい。鉄道ファンはみな、どのジャンルを選ぶにしろ「完全」をめざす。JR全線完乗どころか、私鉄、第三セクター、公営地下鉄、路面電車と手を広げ、モノレール、ケーブルカーと枝葉まで乗り潰していく。しかし「ロープウェーやリフトは除外してもいいのが『常識』らしい」というのがおかしい。スキーもせず、鉄ちゃんスタイルでリフトに乗ってたら、そりゃ変だわな。