高尾山はラッシュ

日曜日、もってこいの行楽日和。家族で早起きして高尾山ハイキングにでかける。高尾山口改札からすでにすごい人、人、人。渋谷改札なみ。娘と妻はリフトで、ぼくは徒歩で山頂めざす。今日は思いのほか体調よく、すいすい登れた。途中、「エイザンスミレよ」という声を何度か聞く。見ると小さな白い花。そんなに珍しい花なのか。ぼくは高尾山頂はパスして迂回、小仏城山へ行くコースの出発点で、妻娘と落ち合う。桜がまだ少し花を残していて、つつじが咲き、あちこちで嘆声が上がる。娘は途中、疲れたとぶつぶつ言っていたが、なんとか後半を歩き通す。
上々堂の精算ができていると聞いたので、ぼくだけ帰りは国立で降りず、三鷹へ。今月分、約2万5千円を受け取る。今月からバイトに入った女の子がレジに座っていてあいさつする。某大手書店でバイトをしているという。「同じ本屋さんでも、古本屋さんとではずいぶん違うでしょう」と声をかけると「ハイ」と返事して笑う。石丸くん、よくこんないい娘、見つけてきたな。
せっかく三鷹まで来たのだから、荻窪「ささま」へ寄っていこう。105円均一は、今日も買物があった。斎藤哲雄『下関駅物語』近代文藝社天野忠詩集『夫婦の肖像』と杉山平一『三好達治』は編集工房ノア
宮脇俊三『汽車との散歩』は新潮社の単行本で、カバーは柳原良平だ。森彰英さんの本をまた見つけた。『演歌の海峡』少年社。店内で四方田犬彦『航海前の読書』五柳書院1050円、寺山修司『ぼくが狼だった頃』文藝春秋525円。
『航海前の読書』で、目にとまった個所。エリオットの「荒地」の冒頭を、西脇も中桐も上田保、深瀬基寛、吉田健一といずれもこれまで四月、残酷、月と「月」を重複して訳してきた。四方田は「これは美しくない」と長い間考えてきた。「現代詩手帖」2000年1月号で、城戸朱里はこれを「四月は残酷を極める。」と訳した。四方田は「快哉を叫んだ」という。なるほど、気づかなかった、それは。