春の陽射しの下、温泉

木曜日は、隔週で朝からラジオ出演。その体内時計が働いたのか、今朝は出番じゃないのに、6時前に目がさめる。ひとりで朝食とり、妻、娘の順で起きてくる。急に思い立ち、妻と車で西多摩郡日の出村へ。ここに入浴施設「つるつる温泉」がある。駐車場に車を止め、日の出山を散策。一時間ほど歩き、頂上まではいかず、引き返す。登山口に、たくさんの杖がわりの木の棒が置いてある。みんな、適当なものを拾って使い、ここに置いていくのだ。これまで山に上って、人と行き交わぬことはほとんどなかったが、この日の出山はわれわれ夫婦だけ。山はまだ桜が残っていた。ウグイスが鳴く。透明な風が渡る。途中の川沿いにも桜並木が花をつけていて、桃源郷のようであった。つるつる温泉で食事して、温泉につかる。客も少なく、平日に急に思い立って、こんな極楽が味わえるフリーのありがたさを思う。お土産コーナーで試食したらうまかった「ごぼうせんべい」を買う。
帰り、運転を交替すると妻にいうと「青梅、行くんでしょう」と返してくる。これは通訳すると「青梅のブックオフへ寄るつもりね」の意。「イエス、オブコース」。文庫、サガン『一年ののち』新潮を発見。これ、ないの。小川洋子『まぶた』、角田光代『真昼の花』も新潮。お、教養文庫田中小実昌『やさしい男にご用心』があるな。ちくま学芸文庫川添登『東京の原風景』は持ってたかどうか、まあ買っておこう。今日はこれぐらいにしといたるわ、と捨てぜりふ。そして、漫画コーナーで菊地直恵『鉄子の旅 1』小学館を見つける。これは350円。女性漫画家が、鉄道オタクにくっついて鉄道三昧の旅を漫画でレポート。これがおかしいの。
帰宅すると、Jノベル、古書通信、川上弘美さんが新刊『中野 古道具店』新潮社を送ってくれていた。夕食後、もうれつに眠気が襲い、ベッドにもぐりこむ。BSハイビジョンで「モントリオール・ジャズ・フェスティバル」を見ながら、これを書く。阪神、昨夜につづき、巨人に連敗。優勝しなかったら、「ブ」一週間禁止、を宣言したばかりなのに。おごりは禁物か。いまのうちに、せっせと行っておこう。
思いだした話、一点。筑摩の青木さんから聞いた。青木さん、は都営荒川線沿線在住。わざわざ、この沿線に住みたくて、探したそうだ。近くに並木ハウスという古いアパートあり。ここ、手塚治虫トキワ荘の次に住み、ジャングル大帝などを書いた場所。聖地ということ、別にして、いまだ現役、大人気のアパートで空室待ちの人が多数いるとか。わかるなあ。