サクラサク

えー、晩鮭亭さん、へんなコメント送ってもうしわけない。解決しました。こうして無事、再開をはたしました。古書現世の若旦那、アルトの美声、社交の天才(もういいですか、こんなもので)向井くんがわざわざ電話してくれ、それで一発解決。いやあ、ほんと、ちょっとトラブルと、ジョン・トラボルタになってしまのね(だから、何のこと?)。毎回、日記を書くのに、いちいちログインして、管理画面からメールアドレス、パスワードを入力する、なんてこと、知らなかったんだよ。それじゃあ、いままでどうしてたの、というと、最初に出てくる日記の画面に、日記を書くという項目が出ていて、それをクリックすれば済んでいた。それが消えたので驚いたわけだ。たぶん、最初の一週間だったから、同じ画面をずっと出していたんだろう。週が変わって更新されたのか。とにかく、さっぱりわからない。お手上げの2日間だった。ええっ、そんなことでお手上げだったの! と責めないで。わしゃあ、そういう男じゃけんのう。
で、昨日のことは、もうすっかり忘れてしまいました。ただ、妻の誕生日だったから、牛角で焼肉を家族で食べにいった。そのあと、砂川「ブ」へ寄り、東大和イトーヨーカドーで買物、仕上げは「古本市場」略して「古市」。買った本だけ書いておきます。「ブ」では、金井美恵子『タマや』講談社長新太『びっくり、しゃっくり、くしゃみにおなら』と佐々木マキ『ことばのかくれんぼ』ともに福音館。「古市」では、色川武大『寄席放浪記』廣済堂文庫、寺山修司『はだしの恋唄』(メルヘン選集2)。

それで、やっと今日。朝刊に岡田史子の死亡記事が出ていた。高円寺古書会館へ。ここでなんやかやを買い、会場で荻原くんと会ったので、お茶をして、また即売会へ戻り、なんやかやを買い、荻窪へ。ささまの均一でなんやかやを……ええい、ええかげんにしなはれや、いつまでなんやかやを言うてるつもり。まあ、待ちなはれ。いま説明しますから。じつは、即売会「杉並書友会」で買った本と、ささまの均一で買った本とで黄色いカゴ一杯分くらいになり、重たいので、ささまの野村くんに頼んで宅急便で送ってもらうことにしたのだ。だから、何を買ったか、ここに書けない。野村くんには「100円で買った本を、宅急便なんかで送ってちゃ、ダメじゃないですか」と言われてしまう。ほんと、その通り。しかし、この日のささまは、買う本がいっぱいあった。まだ軽く10冊は買えたな。

それで荷物が軽くなったので、荻窪「ブ」へ行ってしまうぼくがいた。白洲正子白洲正子自伝』、金井美恵子『文章教室』、『鬼太郎の妖怪旅行 1』(これだけは300円)、ほかに中公新書の品切れ、千種堅モラヴィア』、漫画では田村信『できんボーイ完全版1』を買う。思い荷物を宅急便にしたおかげで、まだ持てそう。よっしゃ、さっき、高円寺古書会館でコクテイルの狩野くんから、石丸澄ちゃんのポスターが、芸術新潮で紹介されることになった、と聞いたので、お祝いを言いにいこうと西荻まで歩くことに。途中、はじめて「象の足」を覗く。まあ、こんなところだろう。「ねこの手」と同じ系列で、やっぱりここもけっこう硬めの本を置いているのは感心だ。

途中、住宅街をてきとうに道を選びながら、じぐざぐと中央線高架をめざして歩く。桜の花はすでに散り始めているが、それでもまだ、青空を透かして、たっぷりと花をつけている枝を見上げることができる。興居島屋は澄ちゃん、いなかった。それで音羽館へ。こないだ行ったばかりだが、均一から以下を買う。こないだ買いそびれた鉄道の旅シリーズがまだ残っていて、ぜんぶ買ってもよかったが、『西日本の私鉄』のみにしておく。いっけんアメリカ文学の翻訳に見えた『アンド・ジ・エンジェルズ・シング』は久保田二郎の傑作選だった。河出書房新社から1999年に出て、あとで調べたらすでに品切。へえ、こんなの出てたなんて知らなかったよ。でも、こんないい本、100円でいいのかな。と、なかを見ると、何カ所かのどが割れてた。それでか。しかし、読む分にはまったく問題ない。松下育男の詩集『きみがわらっている』ミッドナイトプレス、も出てたの、知らなかった。松下育男は80年代に、荒川さんの紫陽社から『肴』という詩集を出している。いい詩人だが、その後、どうなったかわからなかった。この詩集は2003年刊。清水哲男が帯に「松下育男が帰ってきた。」とコピーを書いている。
ぜんぶひらがなで書かれた「にぎる」てのは、こんな詩。一部を引く。
「このよで もっとも/やわらかいものを/にぎるときは
ゆっくりとちからを そのもののひょうめんにつたえ/おしかえしてくる かすかな いきるちからを うけながら
じぶんのほうに すこし/しりぞくこと/なんだ」
なにか詩を書きたくなるような詩集だな。
あ、だいじなこと忘れてました。浅生ハルミンさんの本『私は猫ストーカー洋泉社が届きました。トースターの横にたてかけたいような、とてもいい本です。イラスト、文章もハルミンしております。ありがとう、ハルミンさん。
それから、坪内祐三さんから『『別れる理由』が気になって』(講談社)、そして長田弘さんから『人生の特別な一瞬』(晶文社)を送っていただきました。ありがとうございました。本日はこれにて。