なるべく外へ出ないようにしていると、原木椎茸になったような気分になって、午後ふらふらと国分寺へ。七七舎均一から2冊、店内で1冊(田中小実昌)。北村くんがいて、二号店へ移動して、あれこれ喋る。国分寺駅前にできた大型商業施設(上にマンション)は、オープン時、話題となり行列ができたが、すでに閑古鳥が泣き始めている。国分寺って、そんなにがんばらなくてもいいのではないか。地下にパチンコ店が入っているというのにも驚いた。七七舎2号店で、『三岸好太郎展』図録を買う。ここは、図録が充実している。いつも、何かしら買えるのだ。
途中で放り出していた漱石『坑夫』を順調に読み継ぐ。東京の若者が失恋(?)して自暴自棄となり、むやみに歩き、人材斡旋の怪しい男の言うままに、足尾銅山に坑夫として働きに行く。饅頭と芋を食ったきりで、二日ぐらいで足尾まで歩くというのだからムチャだ。足尾に行くまでに物語は半分くらい過ぎている。銅山で働く坑夫たち、坑内の描写などじつにリアル。資料として貴重ではないか。ただし恋愛が出てこないので、漱石らしくない作品である。誰か、映画化しないか。