大相撲を見ながら、早くから酔っ払って、夕食どきには眠ってしまい、深夜目覚めるという悪い習慣。もう眠れずに、ロバート・B・パーカー『残酷な土地』を再々々読ぐらいで、再び酔っ払ってリビングで読む。すると、台所から猛烈な悪臭が。麝香とシナモンとウンコを混ぜたような。胸が悪くなり、ベッドへもぐり込む。「眠り、死の兄弟分だ」と、パーカーは書いている。翌朝も、いよいよ匂いはひどく、妻に聞いたら「ああ、水仙ね」と言う。台所の水場に水仙がひと束置かれていたのだった。可憐な水仙が、そんな悪臭を放つとは、還暦超えて初めて知った。共同執筆している単行本の原稿をいくつか書く。読みやすい原稿を心がける。短い原稿なので、どれも一気に書く。明日は大森散歩だ(「新潮講座」)。その準備もする。散歩コース(約5キロ)の地図も作成。下見は行けそうにない。
アキ・カウリスマキ「ル・アーブルの靴みがき」を久しぶりに見る。これはたしか松竹で試写を見た。2012年か。素晴らしく面白く、ラストで心の中で「わあ!」と声が出た。最後に庭に咲くのは桜の花に似ているが、なんだろう。心の中にも花が咲く映画である。カウリスマキ映画における、かなり傷んだ小津映画の原節子にあたるヒロイン、カティ・オウティネンがいい。
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