明け方寒くて目が覚めた。朝食たべ、ネコにエサやり(チャウチュールだと踊りながら食うのに、ほかのは食わない。ぜいたくな奴らめ)、二度寝
ネコが箱を段ボール箱で爪研ぎするため(爪研ぎはちゃんと二ヵ所あるのに)、本を詰めた段ボールだらけのうちは、研ぎ放題のつめとぎパラダイス。それで箱の表面だけならいいが、ときに中の本が傷ついていることを発見。なにをするんや。洲之内徹『帰りたい風景』の函にも被害が及び、ボンドで修復している間、久しぶりに本体を読む。読むと、ついつい読みふける。麻薬のような文章なり。「脱線の画家」は横井弘三について。横井の妻も、横井の蒐集家も何だか面倒くさい人が多く、展覧会を開こうとするたび失敗するというような話。そこで、横井が二科への出品を断られるような貧乏時代に「五反田あたりで古本か何かの露店をやりながら、その店先に自作を並べていた」という又聞きの話が紹介されている。何度も読んでいるのに、「へえ」と思ったのは忘れてしまっているのか。埴原一亟を読んだばかりなので、引っかかったのだ。
BSーTBSのドキュメンタリーで、長野・権堂商店街にある歴史的名画座「松竹相生座」を取り上げている回を途中から見る。長野は何度か訪れながら、いつもあわただしく、外観を見ながら入館しないで来たが、今度はそれを第一目的に長野へ行こうと思う。
岩波文庫『プレヴェール詩集』に触発され、書く、読書、本についての詩を、発作的に5本ほど書く。書く、読書、本、古本だけの詩を書いて、詩集を作りたい。これは今年の目標。あと、某拙著の12月文庫入りを申し出て下さり、思いもかけぬことで、うれしい(あまり評判にならず、自分でも忘れがちな一作)。