また酒を飲んで、早寝して早起き。老人の域に近づきつつある。武田鉄矢の「水戸黄門」が楽しみ(ウソつけ!)。季刊「學鐙」の締め切りが、いつも気づいたら、もう目前で、「三冊」に小玉武開高健』、武田花編『あの頃』、『ブローティガン 東京日記』を選んで書く。みんな亡くなって20年30年たつような人たちだ。生きている書き手より、亡くなった書き手の方が親しみ深く、より、寄り添うようになる。
新日本紀行」の「熊野」編で、「空神(ソラガミ)」という言葉を知る。山中を渡り歩く行者のこと。熊野では、「笛吹き者」と言って、大きな岩の上などから行者が笛を吹き、それで神を集めると伝えられる。こうしたコトバをちょっとメモして、そこから、どんどんイメージをふくらませて『風来坊ふたたび』は書かれたのだった。95のおばあさん、一人暮らしだが、何にも怖くない。神も仏もご先祖さまも近くにいある。ピアーピアーと呼べば、トンビが飛んでくる。「神も仏もいごこちのいい、天に近い山里」とナレーションがかぶる。
昨日は、溜った新刊を音羽館広瀬くんに取りに来てもらい、ついでに、三鷹上々堂へ乗せていってもらい補充と精算。水中書店へ寄り、チラシとポスターを依頼して、電車で帰る。東京西郊から連雀通りを走りながら、広瀬くんと古本屋ばなし。途中、国分寺あたりの古本屋(かつてあった、あるいは今ある)をガイドする。これが連雀通りへ入ったあたりでぴたりと止まる。
広瀬くんのアイデアで、岡崎武志セレクトのコンピCDを焼いて、5月6日「西ブク」還暦記念トーク&ライブで入場者に無料配布しようということになり、せっせと15~6曲ほど選ぶ。分散して見つからない盤もあったが、これは楽しい作業であった。当日配る整理券(プレゼント引換券にもなる)も、かつて「みちくさ市」で作った「古本おみくじ」の原板が残っていて、これをコピーして番号を振る。ネタとしてはちょいと古い(「はやぶさ号」)が、いいだろう。かんじんの本業より、こうしたことに夢中になるのは、学生時代、定期考査の前に余計なことをして夢中になったのとまったく変わっておらず、前略おふくろ様、俺はダメです。