青春18」きっぷがまだ4回分のこっている。使用期間はあと半月ぐらい。どこで使おうか。日曜はどこかへ行こう。富士塚巡り、というのもいい。千葉にも多くあるのだ。ひさしぶりに内房線に乗るか。ただ、古本屋はほとんどない。なくても、西千葉で「鈴木書店」に立ち寄れば、古本熱は解消されるだろう。
『風来坊ふたたび』の詩稿を書いたノート、手帖が出てきて、「あとがき」には「二十数編」なんて書いたが、軽く三十以上書いていたことがわかる。一日、四、五編書いた日もあった。何かに憑かれたように書いたのだ。ものにならぬまま放置したものもあり、いちおうかたちにはなったが、いまいちのものもノート、手帖に書き付けられている。「風来坊 30」と書かれた未定稿をここに写しておく。見つけるまで、まったく忘れていた。
「遅くなってもいいですよ/表のカギは開けておくから/部屋はアカシアの間を用意しました/お風呂を使うなら静かにね
バスが一便遅れ/思いがけず時間を食って/頼んでおいた宿に遅くなる
朱肉の匂いのする郵便局で電話を借り/なんとかそのことを宿に伝えたら/先の返事だ
着く頃には日付も変わっているだろう/月夜の歩行は慣れている/闇を背負って歩いていると/黒い森からフクロウの声が聞こえる
夜がわだかまっている
生きていくことに飽いたら/こんな森で暮らすのもいいなあ/小さな小屋を建て/小枝を拾ってきて煮炊きをするのだ(以下、欠)」
ここまで書いて、おそらくその後の展開が思い浮かばず放置したと思われる。
『風来坊ふたたび』(古書善行堂)税込み1080円を置いていただける書店、古書店がありましたら、古書善行堂へお申し込み下さい。5冊以上7掛け買取りでお願いしております。よろしくお願いします。サイン入りは残部が少なくなってきました。