ちょっと集中的に仕事をして、ひと段落。そうなると、また悪い虫が起きてくる。浦和「別所沼公園」に、立原道造が設計図を描き、無想していた小屋「ヒヤシンスハウス」を、実際に建てて展示してあると知っていたが、いったいどのあたりか。調べると「中浦和」が最寄り駅。なんだ、「中浦和」って。埼京線か。とにかく準備して動き出す。武蔵野線武蔵浦和」で、「中浦和」行きにと乗り換えるところだが、地図を見ると、武蔵浦和から「花と緑の散歩道」という遊歩道が、別所沼公園まで続いている。約一キロ。よっしゃ歩こうと歩き出す。
別所宮公園は真ん中に沼とあるが池ですね、を持つ広い公園。たくさんの人が釣りをしていた。ヒヤシンスハウスは入口からすぐ。5坪ほどの広さの木造平屋。ちょうど、催し物の案内に使われていて、本当は『立原道造詩集』(岩波文庫)を持参していたので、ベッドのそばの椅子に座って読もうと思っていたが、そんな雰囲気ではなかった。写真を幾まいか撮り、池の周りをぐるり一周して、公園前から東武東上「志木」行きのバスに乗る。駅近くにあるジャズ喫茶「BUNCA」へ、前々から行きたいと思っていたのだ。ビルの二階。中はけっこう広く、常連らしき一人客のおじさんたちが数人、ジャズに浸っている。マッキントッシュのどでかいスピーカーから、わりとスタンダードなモダンジャズががんがん流れる。CDもあるが、メインはレコード。壁のある棚、すごい枚数だ。いいなあ、これぞ純ジャズ喫茶なり。近くにあれば、通いつめたい。「ささま」フジタくんは行ったかしら。ここはおすすめだよ、フジタくん。ちょっと遠いけど。成増から吉祥寺行きのバスも出ている。コーヒー450円というのも手頃。長居できそうだ。夜は、もっと爆音になるらしい。でも昼間の音でも十分だ。もちろん、立原道造を読みながら。
志木には、かつて古本屋があり、校正の派遣で知り合った若者とその友人とで、訪れたことがある。「東西書房」かなあ。20数年前の話。住所で確認すると、いま「おひげ寿司」という店になっている場所だと思う。
有意義な半日旅だった。さあ、またがんばろう。
知り合いからメールで「東西書房」についての教示があった。以下、ありがたく、貼付けさせてもらいます。
「今も無店舗で、営業されていますね。店舗のあった場所は、ストリート・ビューで見ましたが、同じ建物内ですけれど寿司屋は以前からあり、その隣の整体院の場所ではなかったかと思います」
メール氏は、東西書房へ何度も行っているそうだ。ありがとう。