爽やかな初夏のいちにち。「とと姉ちゃん」好転の兆しあり。朝早起きして、「サン毎」の原稿を送り、出陣。西部古書会館はブック&A。このところ探究している目当てのゾーンのものが買えて、満足。あとは、余勢で数冊。駅前中華食堂で、チャーハンが食べたくなってチャーハン+半ラーメン。ここのチャーハン、白っぽいですが、ぼくはけっこう美味いと思う。飯田橋へ移動。「ギンレイ」で、スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演「ブリッジ・オブ・スパイ」を観る。http://www.foxmovies-jp.com/bridgeofspy/
このところ、最初の30分ぐらい眠ってしまうのだが、これは眠る隙を与えない。2時間半近くを、スリリングにぐいぐい引っぱって、堪能させた。この演出力、さすがではないでしょうか。誰か文句ある人いるのだろうか。国民感情を敵に回しても、正義を貫き通す弁護士というあたり、「アラバマ物語」をちょっと思い出しました。トム・ハンクスアメリカの良心みたいになって、どんどん好感度が上がっていくのがちょっと心配なぐらい。まあ、J・スチュワートなんかもそうでした。
ソ連のスパイがしょぼくれた老いた絵描きというのがいい。彼は、まったく死も、自分の運命も恐れない。そして、自分を援護する、損な(というより命がけ)役回りのトム・ハンクスに、次第に友情を感じ始める。トム・ハンクスが、彼に「不安はないのか」と訊ねると、「それが何の役に立つ?」と答えるシーンが二度ある。ぐっときますね。最後も、ヒーローらしからぬ、おどけたトム・ハンクスがいて、これが持ち味。観て損はないですよ、と言っておきます。
どうしたら入手できるかわからないが、老舗雑誌「學鐙」の表紙裏に、「私のすすめる三冊」を連載していて、その最新号が届きました。選んだ三冊は、辰巳芳子『スープ日乗』、坪内祐三『昭和にサヨウナラ』、中央公論新社編『教科書名短篇 少年時代』。
「ブ」などでちょろちょろ見てますが(ほぼコンプリートなんで買いはしない)、いま見つけにくいのは、むしろ吉行淳之介より安岡章太郎だな。