盛林堂さんHPに挙げられたツィッターを見ると、『古本屋写真集』好評のようでうれしい。善行堂でも30冊入荷して、もう半分が売切れた由。その後、発掘されたパソコンに取り込んだ写真群を発表する場を、古ツアさんと計画中。「蔵出し」となるはずです。
昨夜は大船へ。港の人、とヒグラシ文庫主催の牧野伊三夫・坂田明による、ジャズと絵の即興ライブがある。その司会を担当し、現地へ乗り込む。大船、遠いなあ。なんと、隣りが大船「ブ」で、かなり広い店内の半分は、衣服、雑貨、楽器、家電などの中古コーナー。本はというと、近隣のネット業者の草刈り場となっている感じで、あまり拾えない。電車で読むかとブンコと単行本を、二冊拾う。
イベント会場となった芸術館は立派な建物。リハーサル室が会場だが、6時にならないと部屋が開けられず、事前の準備時間は開演までの一時間。ヒグラシ文庫さんの陣頭指揮のもと、どこから集められたのか、大勢のスタッフがきびきびと椅子を配列、床にシート、壁に防護幕を張り、巨大な紙をその上から張って、空っぽの部屋をみごと変身させた。その手際のよさに感服する。牧野さんは設営、坂田さんは音出し準備で、トークの事前打ち合わせはほとんど出来ず、本番突入。なんとか役目を果たす。会場はほぼ満員であった。100名は来たか。
坂田さんのサックス即興演奏(トークの時、ぼくが、坂田さんが吹く「早春賦」が好きと言ったので、巧みに演奏に加えてくれる)に合わせて、というのか、乗ってというのか、牧野さんが横断幕のような大きな紙に、さまざまな手法で絵具、クレパス、墨を乗せていく。一時間のパフォーマンスだが、まったく退屈はせず、目の前で絵ができあがっていく過程(坂田さんは、演奏する姿も含め、「それは一つの風景なんだよ」と解説)がスリリングであった。
終演後、大船駅前の居酒屋で打ち上げ。10時45分最終の湘南新宿ライナーに乗車、と同方向の牧野夫妻、坂田さん、それにぼくの四人が固く誓い合う。坂田さんが「オレはいつもグリーンの券を買うんだよ」というので、われわれも買う。新宿まで+980円だかするのだが、これは快適であった。酒盛りする我々のそばには誰も寄り付かず、小部屋がほとんど貸切状態。新宿からも座れ、とうとう座ったまま最寄り駅。雨はやんでいたが、この日いちにちもささなかった傘をどこかへ置き忘れたことに気づく。そして、誕生日が終わった。