昨日、はれ。三鷹「星のホール」で出久根達郎さん文藝講演会「太宰治とその周辺」を聞く。2時開場の2時半始まりで、2時少し前に行ったのだが、すでに渡された整理番号は108番。みんな、どれだけ早くから待っているのか。順番が来て、ホールに席を取る。観察していると高齢者多し。「太宰治」だから、1割ぐらいは若者(学生)が混じるかと思ったが、そうでもない。ただ、後ろから見ていると、持参した本や、入口でもらえる「ちくま」(筑摩書房が協賛なのだ)を読んでいる人が多い。スマホを触っている人は、少なくともぼくの目には見えなかった。
出久根さん登壇し、一時間強、古本屋修業のこと、太宰治の古書価、井伏鱒二邸訪問など、いくつかの持ちネタをバランス良く配分し、客席を納得させた。視線の送り方といい、出久根さん、かなり講演慣れしている感じだ。
講演終わり、客席にいた一人の男性に声をかけられた。「善行堂」という名前も出てくる。出久根さんに何か質問したかったらしいのだが、質問コーナーはなかったのだ。会場にいたMさんを誘い、すぐ近く「禅林寺」へ太宰の墓参りをする。「上々堂」からすぐ近くで、しょっちゅう附近まで来ているくせに、ぼくは初めて。森鴎外墓もすぐ近く。てを合わせていると、老人がやってきて、やはり出久根講演からの流れらしい。話すと、太宰がよく通った料理屋「千草」の経営者だという。それはそれは。
携帯の電源を切っていたのだが、じつはこの日、ダブルブッキングで、別の用が入っていたことに気づかないまま、欠席してしまった。まことに申しわけない。
27日は調布パルコ古本市へ。9割は女性客か。半分はそれを意識した品揃え。「comic box」別冊の「つげ義春永島慎二」特集号と、あとinax『お守り動物園』を買う。帰りは武蔵小金井までバス。けっこう長い路線。時間も運賃も、電車で帰った方が早く安いのだが、たまにバスに乗ると楽しい。バスのなかでは、買ったばかりの「comic box」を。そうか、つげと永島は同じ1937年東京生まれなのか。10代終わりに二人で撮った写真も掲載されている。
三浦哲郎『木馬の騎手』をひさびさに少し読み返す。すべて子どもを主人公にした短篇集。じつにいい。司修装幀の単行本も持ってるはずだ。