うた

先日、長崎県立図書館で、野呂邦暢について講演。羽田から立川へリムジンバスに乗ったのだが、以前は羽田線から大回りで、渋滞の首都高を抜けてずいぶん時間がかかったが、今はトンネルの新道でショートカットして、いきなり中央道へ。1時間弱で着いた。めちゃくちゃ便利になった。
ふだん、図書館等で話しても最高でもギャラは2万円なのだが、今回、思いがけずたくさんいただき、喜んで帰還したら、翌朝、8年視聴し続けたテレビが壊れた。突然ぷつんと画面が消え、あとはうんともすんとも。テレビの買い替えで、長崎でのギャラが飛ぶ。こういうの、どういうんでしょう。悪銭身につかずではないよなあ。ちゃんとした報酬なのだから。シャープ「アクオス」は廃棄、ソニーの大型テレビに乗り換える。
というわけで、数日、わが家にはテレビがなく、朝食も夕食も、ずっとラジオを聞いていた。これは2011年3月の東日本大震災での、計画停電以来のこと。しかし、これはこれで、いいんだよなあ。ラジオだと眼も手も空いて、けっこう仕事ができる。いいラジオの時間だった。
今日は「サン毎」の原稿を送ったあと、本選びのため九段下へ。出かけるぎりぎりまで仕事。本日が初日の西部古書会館「ブック・アンド・A」展を覗く。ううむ、いつもこの即売会は、なぜか買えないのなり。なんでだろう。買っている客はもちろん多く、ぼくだけ周波数が合わぬのか。しかし、何か一冊と思い、寺山修司編『男の詩集』が小口に汚れあるも250円と安さで、これに決める。電車のなかでけっこう読んでしまう。今年も12月に開く、コクテイルでの「トリオ・ザ・ポエムズ」での詩の紹介に使える詩が拾えた。11月後半から12月前半にかけて、すでに5つのトークイベントが決っている。それで頭がいっぱいだ。告知ハガキのイラストを描いたり、それをコピーして配布したり。あわただしい。おいおい告知させてもらいます。
この前、音羽館均一で買った「poetloe」(小山書店)という詩の雑誌からも、詩のネタを拾う。これは使えそう。ご期待を。いくつか原稿依頼あり。どんどん引き受けて、なんとか年末を越さないと、俺たちに明日はない
ユーチューブで、2度目になるか、吉村公三郎監督「暖流」を見る。佐分利信高峰三枝子水戸光子が主演。2時間強あるのだが、テンポよく、なんというモダンな作りだろう。無駄なカットがなく、いちいちアイデアがある。随所にハッとするカットあり。これは驚いた。
このところ、毎晩聞いているのは大塚まさじ「うた」(作詞は田川律)。コードを拾って、ギターで歌ってみる。「くたばってもいい死んでもいい ぼくの血がそっくりそのまま 声となり言葉となって 今の時代を生きるなら」。こんなに今の自分の気持ちをぴったり表現した歌はない。いい仕事をしよう。