日いちにちと涼しくなる。夜は虫の音。
昨日は午後、外出。「盛林堂」にちょっと寄って、若旦那と少し話をし、均一で数冊。三浦哲郎『師・井伏鱒二の思い出』新潮社は思った以上にいい本で、電車のなかで、何度か目頭があつくなる。これほど強固な、しかも愛情あふれる師弟関係というのが、ありえるのか。三浦没後の刊行で、解説は荒川洋治さん。
高円寺「Book&A」では、1974年の「ヤングギター」500円ほかを買う。この時代のフォーク雑誌、500円なら安い。即買いだ。関西から、ネット古書店のKくんが、また買い出しに来ている。たぶん、この日いちにち、あちこちの古書店をかけずり回ったのだろう。たぶん一泊せず、夜行バスで帰っていくのではないか。その清々しいまでの打ち込みようが、修行僧のように見える。
夜は「コクテイル」で、某誌編集者のM田くんと、飲みながら打ち合わせ。打ち合わせは少しで、もっぱら大阪時代からの四方山話。上京して8、9年になるという。まだ30代なかば。これから、これから、と思う。
吉祥寺の絵本専門店「トムズボックス」が閉店、と知る。絵本専門店の先駆けの一つだし、著名絵本作家やイラストレーターの展覧会を開くなど、土井さんの分身みたいな店だったが、これ以上の維持は困難だったようだ。土井さんは、かねがね、将来は古本屋(もちろん絵本専門)をやりたいと、言っていた。実現すれば、それはそれでなによりだ。トムズ閉店は残念だが、嘆くことでもない。あたらしい出発だ。
http://www.fashionsnap.com/news/2015-08-27/tomsbox-close/