いろいろなことがあった土日、書ききれるかどうか。
西荻に日参の土日。6日は一箱古本市と夜は西ブク。一箱では、知人のSくんの出店から骨董の鍵を1000円で買う。柳ケ瀬さんの隣りで出店していた若者は、なんと上林暁尾崎一雄をメインにした品揃え。聞くと23歳だという。がんばれ、私小説青年。西荻ブックマークまでの時間が中途半端で、荷物を「盛林堂」にあずけて、銭湯「天狗湯」へ入る。600円でバスタオル、タオル、石鹸などのセットが便利。40分ほどだがくつろぐ。けっこうお客さん、入ってるな。
7日は深酒のため尿意で4時ごろ目がさめ、そのままベッドで高村薫『照柿』を読了。緻密な書き込みに圧倒される。これを読んでいる際中、ずっと『照柿』の世界に迷い込んでいた。「吉野家」で朝定をたべ、そのまま6時から玉川上水さんぽ。たくさんの人がウォーキング、あるいはランニングしている。ときどき「おはようございます」と挨拶。土の匂い。涼しい空気。
午後、ふたたび西荻。銀盛会館での盛林堂の古本市、つけるべきところはしっかりつけ、それ以外は底の底値で、底値でバカスカ、興奮して5000円強買う。さすがに持っては歩けない。レジの若旦那に送ってもらうよう頼む。
高円寺へ移動。「古本屋のはたらき方 楽しく本を売る」というトークイベントが西部古書会館で。1部は音羽館山脈+この6月、中のでオープンする「古本案内処」カワムラくん。外で待機していたのが押せ押せで、2部開始ギリギリにバトンタッチ。戸が開いて出て来た客は、半分くらい、古書会館の存在も知らないような、オシャレな若者男女。満席だったようで、その熱気におどろく。知っている顔が次々出てきて挨拶。この日、都合3回トークがあったのだが、全部聞く人も多いようだ。
ぼくが聞いた2部は浩仁堂さん司会で、三暁堂、海ねこ、ノースブックセンター、悠山社各氏が登壇。メモしながら聞く。これ、報告し始めると、とんでもない長さになるが、ひとこと言えば、同じ「古本屋」といえど、成り立ちも規模も、志も、方法も、まったく別々だということ。そこに、新規参入する隙間がある。まだ、ある。アマゾン中心のノースさんは、まだ30代ぐらいに見えるが、従業員30人を雇い、160坪の大倉庫を展開し、月商1500万円だという。それがいかに大変なことかは、ちょっと業界のことを知る人ならわかるだろう。対極が悠山社さんで、青梅線沿線で町の古本屋を始め、いまは「日本の古本屋」と業者市だけで回している。顔と名のみ知る悠山社さんだったが、この日、ファンになる。クロストークというより、一人一人の発表という形態で、海ねこさんの発言が少なくなったのが気の毒だった。
客席には、唐津から西海洞さん、鹿児島から(おお、ひさしぶり)つばめ文庫さんが来てきて、いちばん前の席に陣取り、3回とも聞いて帰るらしく、熱心に聞いていた。
夜、西海洞さんからもらった、大吟醸をすいすいと飲んでたら、酔っぱらってしまった。