okatake2015-03-18

昨日は「早稲田」から漱石公園を経由、市谷柳町、神楽坂、飯田橋と坂巡り。うまく開いていたので「十二月文庫」へも寄ってきた。「鈴木書店」の残骸も。
漱石公園はきれいに整備されていて(風情はなくなったが)、展示室のある管理所で二種の小冊子をもらう。これがカラーで、漱石の生涯や友人関係、著書、漱石文学散歩など充実したできばえ。もうひと組余計にもらって、夜の「オトパラ!」でプレゼントとする。
牛込の台地から外堀通りへ落ちる、いくつかの坂のうち「ゆれい坂」というのがあって、西側に蔦のからまる石垣の勇壮な屋敷がある。木造大門など立派だが、中身は取り壊され、マンションに。外側だけ遺したわけだ。駐車場で煙草を吸っている管理人らしき老人に「これはもと武家屋敷ですか?」と聞くと、「そうじゃない。一般の人の家だったんだ」と教えられ驚く。「蔦は芽吹くときれいだよ」とも。
ギンレイで「悪童日記」。原作を読み終わったところ(「ビッグ・イシュー」に紹介)だったので、原作のダイジェストを見ているような気分になる。いくつか爆発シーンあり。そのたび、座席で激しく反応してしまう。気の弱い男だ。
夜は「オトパラ!」。坂巡りの話。いよいよ残りは一回だ。
青柳いづみこさんより新著『MERDE!日記』(東京創元社)をいただく。これの刊行記念のトークが4月2日夜に下北沢B&Bであり、そのお相手を務めることになっている。2001年から09年までの日記。2002年1月のところに「新阿佐ヶ谷会」の記述が。ぼくの名前も出てくる。そうか、もう13年も前になるのか。「阿佐ヶ谷会」がよく開かれた青柳瑞穂邸がそのまま残っていて、孫の青柳いづみこさんが住んでいる。そこで、上林や木山捷平好きな現代のもの書き、編集者が集って、宴を催す、というのがその後恒例となった。その一員に、ずっと加えていただいているのである。川本三郎さんを筆頭に、野崎歓さん、堀江敏幸さんなども過去に出席されている。南陀楼綾繁さんが来た年もあったぞ。なんだか懐かしい。
そうそう、文壇高円寺で魚雷くんが書いているが、昨日、総武線車中で魚雷くんとばったり。「なんだか、照れ臭いね」と。これだけ同じエリアを往き来しながら、魚雷くんと電車で会うのは初めて。
「帰り、三鷹駅周辺を散歩して電車に乗る。吉祥寺をすぎたあたりで、ふと顔を上げると、斜め向いの席で岡崎武志さんに似たかんじの人が本を片手にずっとノートをとっている。うつむいていて顔が見えないので別人かもしれないとおもい声をかけるかどうか迷う。が、読んでいる本の表紙がちらっと見えて、岡崎さんにちがいないと確信し声をかける。本人だった」(「文壇高円寺」より)