okatake2015-02-06

昨日、雪のなか、西部古書会館を覗いたあと、高円寺庚申通りにできた女子の古本屋「サンカクヤマ」へ。ガラス越しになかが見える明るい店。入ってすぐ左に、均一棚あり。しかも量が多い。珍しいのではないか。ここで、角川mini文庫の『中原中也の恋の歌』を50円で拾う。グッドデザインの表紙は間村俊一さん。挿画が金田理恵、編・解説が佐々木幹郎各氏。まだ棚の空きが見える店内をゆっくり回廊。空き棚に人形が飾っているあたりが女子っぽいが、品揃えは女子っぽいというわけではなく、硬軟とりまぜびしっと決めている。開店祝いにと思い、少しだけ値は張るがお買い得なピポー叢書の『ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ詩集』を2000円で買う。
このあと「サン毎」で本選び。先日書いた、毎日「発言」の原稿が今朝、掲載されたらしく、幾人かの毎日の人に「読みましたよ」と声をかけられた。大雪が予想され、今日はあちこちひっかからず、早く帰ろうと思ったが、まだちょっと古本の小腹が空いて、荻窪下車「ささま」へ。元気な声が店内にすると思ったら、桐壷屋さんだ。ノムラくん始め各店員に声をかけ談笑している。せっかくだから誘ってお茶でも、と思ったが、外は寒く、「一杯やりますか」ということになる。ぼくは「ささま」で、高嶺の花と思っていた高額古書、渡辺武信『ヒーローの夢と死』という映画論集を1050円という破格値で買う。駅前の焼き鳥屋で、桐壷屋さんに見せると、「ああ、それ私がささまへ売った本です」という。「83ページにヤブレ」と表示が値札に断りがあり、それで安かったと告げると、「それ、私が破いてしまったんです」と言うではないか。20年以上前、茗荷谷の土屋書店で、この本をみつけ、ここは句歌詩集などの専門店だから、きっと安いに違いないと、値を見たら3000いくらかがついていて「うへぇ!」と思った記憶がある。しかし、いま古書価は5000円以上。難ありで、20年かかって我が手に落ちた。かっこいい装幀・レイアウトは田辺輝男。牧神社のノディエ選集、唐十郎『河原者の唄』などの装幀者なり。1972年の刊で、当時の定価が2000円。いまの物価で5000円ぐらいの感じだったろうか。詩集なみの部数だったのではないか。