菅原文太まで逝ってしまったのか。「トラック野郎」の鈴木則文監督も今年逝った。その則文さんの『下品こそ、この世の花』が筑摩から出たばかり。
昨日はお尻の釜に石炭くべて、なんとか堺正章今月分(ウェブ連載が終わって、書き下ろし段階に入った)を送付。放心状態となる。
夜、ジョニ赤(量販店で1000円以下)を飲みながら、高倉健主演「居酒屋兆治」を見る。4度目ぐらいか。昭和58年公開で、この年、健さんは52歳。
今回気づいたのは、出てくるウイスキーがすべてサントリー「オールド」であること。例外はなく、ことごとくそうだ。バラック建てのような居酒屋「兆治」に置いてあるのもオールドのみ。当時、オールドは高級酒のはずだが。これは、原作が山口瞳(山口も客の役で山藤章二(題字担当)とともに出演)だから。画面に映るオールドは、おそらくすべてサントリーが提供したものと思われる。大原麗子が札幌のキャバレーに勤め、再貧困という感じの安アパートへ帰って、あおるウイスキーサントリー大原麗子サントリー。CMみたい。
「兆治」の壁にお品書き。ビール450円は高いのではないか。大瓶だろうか。昭和58年封切り時、公務員初任給が10万9100円。換算すると、いまの物価で800円ぐらい。冷や奴200円が同様に360円ぐらいの感じ。もっと儲けなさいのあき竹城の声に、兆治が「一日4万円の売上げがあればいいですから」と答える。これも単純に換算すると7万強、ということになる。いやあ、けっこう凄いんでないかい。「兆治」はカウンターのみで、詰めて座って12席ぐらい。
下の映像、「市役所」というTシャツを着ているのが細野晴臣だ。

サントリーオールド価格推移、みたいな検索をしたのだが、バッチリ、というのが見つからない。ホワイトは朝日新聞社の『値段の明治大正昭和風俗史』に出ている。
ただ、1980年代、角が2500円、オールドが2800円、リザーブが3200円という証言を見つけた。今の物価なら倍近く、と思うと、やっぱり高い。