昨晩、深夜、BSで小椋佳生前葬コンサート前編を見る。そうか、もう70になるのか。これで歌手稼業から引退、という。高い声が出にくくつらそう。しかし、透明感のある叙情的歌声は健在。日本のフォークという流れからも一人はずれ、独自の世界を築いてきた。「青春」ということばがよく似合う曲がたくさんある。聞いてて気持ちがよかった。白州12はついに底が見えた。
とにかくムチャクチャに読む読むの日々。並行して木山捷平友部正人論の準備。堺正章も〆切迫る。決壊寸前というところ。とにかく前へ進むことを考える。井上ひさし小森陽一編『座談会昭和文学史』(全六巻)も、手を休めて拾い読む。中上健次芥川賞候補4度目にして受賞。その日、「出版社のある紀尾井町音羽、矢来町あたりを稲妻が走ったという感じがしました」と井上。大変な新人が現れたという意味。中上は「一人文壇」を作ろうとした、と島田雅彦中上健次全集は、編集委員がすべて批評家、と高橋源一郎が指摘。批評家に論じられる作家だった。「作家にとって一番きついのは論じられないことで、次にきついのが、徹底的に論じられることです(笑)」。
たしかにいまは総じて論じられない時代。批評は部数だけ。これでは作家も張り合いがないだろう。
あっというまに10月も終わる。頭がジンジンしてきた。大塚まさじを聞くことしきり。もっと評価されていい歌い手。