昨日、ぶじ西荻一箱古本市」を終えて、へろへろになって帰宅。参加予定していた西荻ブックマークはパスさせてもらった。ごめんなさい。
女子大通り、「花鳥風月」さん横のクリーニング店の脇路地、幌屋根つきの非常に出店しやすい立地で店開き。目の前にセブンイレブン(トイレ含め、何度も足を運んだ)、隣りのクリーニング店が「ゆうパック」取扱店で売残りを「スーパー源氏」へ送るなど、いたれりつくせりの出店となった。音羽館の要、広瀬夫人のユカちゃんも出店。路地で縄跳びしている少女は広瀬ジュニアだった(元気いっぱいでジブリアニメみたいな女の子)。
売上げは大したことはなかったが、それでも3分の1から半分近くは売ったか。ふるほんおみくじは「みちくさ」バージョンの流用。30枚分用意して消化し(最後はとみきちさんで、「『吉』に見えるが『エロ』」を引く)、あと5、6人のお客さんには手渡せなかった。だから売ったお客さんは35人ぐらいか。作家の角田光代さんも寄ってくれた。ありがとう。
ユカちゃんが、とてもよくできた手製の紙芝居の道具で、紙芝居クイズをやったり大盛り上がり。ぼくも急きょ、店番をしながら「古本屋さんの一日」という紙芝居を描きあげ、夕方に初披露。ユカちゃんに預かってもらっているので、さらに完成させて、どこかでお披露目できるかもしれません。
八重洲古書会館のTさん、紀伊国屋書店のOさんは久々の出店。ぼくもお二人に会うのは本当にひさしぶり。「ぼくのことなんか、忘れたやろ」とイヤミを言うと、「そんなことありませんよお」と顔を振る。あとで店を覗いたが、センスのいいチョイスのナイスな本をだしていた。「二人で、古本屋やりぃ」と行政指導をする。
セブンイレブンで買い物をし、ちょっと店を離れていて戻ったら、中学生みたいな後ろ姿の女の子が熱心にぼくの店を見ていて、「芸術新潮」の小林秀雄特集に手を伸ばしたのでびっくり。声をかけたら、りっぱな大人の女性で、お子さん二人を持つお母さんだった。けっきょく講談社文芸文庫吉行淳之介『暗室』を買ってくれたのだが、「古井由吉のサイン本を出している店があって(朝霞書林さんだ!)、迷ってるんですが」なんて言う。吉行も好きだと言う。なんという純文学ママさんなんだ。こういう人に巡り会うのが、一箱に出店する楽しみだ。
連日の出動ですっかり疲れ、店じまいをしたが、この日売ってばかりだったから、ちょっと古本の小腹が空いて、「花鳥風月」さんと、借りた「ホンダラ」ジャンパーを返しに寄った「音羽館」の均一で、少し買う。少しといっても10冊近い。こういう、いい本を均一で出している西荻で、一箱をするのはなかなか大変だぞと思う。音羽館店頭にいたら、店のなかから番頭のSくんが「おかざきさん、じゃんぱーのポケットに売上げが入っていました」と、2千円渡してくれた。わあ、すっかり忘れていた。
往き帰りの車中では久世光彦『みんな夢の中』を。
あ、そうそう、一箱で、「オトパラ」を聞いてます、という女性が一人来てくださった。もちろん少し値を引きました。ニッポン放送のヘヴィリスナーみたい。