青春18第3弾を使って沼津へ。ひさしぶりなり。駅がずいぶんきれいになった。愛用する若菜晃子『tokyo mini hike』という本を片手に、沼津アルプスに登る。言ったもんがちだ。沼津アルプス。
駅からはバス。登山口近くにバス停あり。このガイドのコースの通り、徳倉山から志下山へ尾根を縦走。少なくともこの一カ月は人が足を踏み入れていない証拠に、あちこちで蜘蛛の巣の洗礼にあう。途中から落ちていた棒で防戦するも、思いがけず、うへえ!とからめとられ、あとで帽子を脱いだら、蜘蛛の巣だらけであった。最初の登りが険しく、しかも容赦ない登りの連続で大いにばてる。300メートル足らずの高さ、と言えば、失笑を買うかもしれないが、いや、そう言うなら、登ってみんさい。けっこうきついよ。これでも毎朝1時間は歩いてても、そうだから。山のきつさは、標高だけでは語れない。汗が瀧のように落ちる。ハチやバッタやチョウや、それからトンボや、昆虫天国なり。
本当はこのあと、鷲頭山、大平山と取り付く予定が、もっと高く、きつそうなので途中で断念。しかし降りる方向を間違え、峠から苦難の道が続き、途中、道に迷ったかとも思った。下りも真っ逆さま、という個所、いくつかあり。ロープが張ってあったが、しがみついて降りる。いや、笑うなら、やってみなさいよ。ほんとうに。
しかし、駿河湾を一望できるパノラマ光景が、何ヵ所かで拝めて、まずまず満足。木漏れ日の尾根道が気持ちよかった。「涙をこえて」なんか、歌ったり。やっぱり行ってよかったんだ。帰りのバス代は、往きの倍、かかった。古本屋へも寄らず、退散。行きも帰りも「根府川の海」が見えた。
行きの車中、乗り合わせた老人カップル。話し方から夫婦ではない。男性は腰掛けて、隣りの女性と話す前に、口にシュシュと口臭防止スプレーを。9割女性が喋っていたが、秋波が、遠く離れても伝わってくる。二人は熱海で降りた。すわ!
車中でようやく松山巌須賀敦子の方へ』を読了。付箋だらけになった。これでは、あんまり意味がない。