夏葉社・島田潤一郎さんの新刊『あしたから出版社』(晶文社)が届いた。オレンジの表紙カバーにびっくり。まだ全部読み終えていないが、ところどころつまむようにして読んでも、島田さんのまっすぐな気持ちが伝わってくる。少年剣士、みたいだ。二人の友だちを(一人は従兄)が死ぬところから始まるのもユニーク。つまり、これは読者のスキルを挙げるための成功譚ではない、ということだろう。もがき苦しみながら、しかし出会った人たちから光明を得て、つき進んでいく姿がいじらしく爽快なのだ。中にぼくの名前も少し出てきます。へえ、そうだったかあ。ぼくも初対面のときのことはよく覚えている。本書を原作に映画化希望。島田くん役は誰だろう。松坂桃季か。これぐらいの年代の俳優の名前がなかなか出てこない。「嵐」の二宮くんはいくつだろう。
遠く雷鳴の音が聞こえ、雨がまた降り出した。