okatake2014-04-14

昨日、夕方国立駅前の喫茶で、北條くんと片岸さんを目の前に談笑。ある頼まれごとを引き受ける。「そうか、片岸さん、北條洋子になるんだ。戦国武将の妻みたいやな」。トワ・エ・モアの「ある日突然」みたいに出来たカップルだが、二人座っているのを見ると、とても自然なのに驚く。何か、昔からずっとそうであったように、顔を見合わせ、二人でうなずきながら喋っている。こちらもうれしくなる。
北條くんが盛岡だったか、で買ったという田川律大塚まさじ糸川燿史『唄が旅から帰った時』(有文社/1976)を頂戴する。じつは、これは非常に珍しい稀書であった。日本の古本屋にようやく一点、出品されるだけ。「全国ライブハウス街図」つき。これは著者三名が、1976年、車を運転して越中加茂を皮切りに、北海道までライブハウス巡業に出た旅の記録。糸川の写真も多数収録。田川さん、このときまだ40代。大塚まさじさんも若い。
ここに大塚さんの書いた文章も収録されてあるが、生い立ちから家出までの青春期のことが書かれている。「大阪郊外、茨木市の片田舎、上野という村」で育ったとあるが、地図で確認すると、茨木市駅の北東、名神インターチェンジがある近くで、その少し北が「安威」。つまり富士正晴が隠棲した町。そのもっと北に追手門大学がある。ぼくはこの辺に土地鑑がある。大塚さんがいた上野(村)近くの中河原交差点から北へ行った福井高校(当時、新設)に講師として一年間だけ通ったのだ。『唄が』のライブハウス街図には、「ディラン」も登場。初めて、地図ではっきりとその位置を確認する。へえ、国立にも「あしっど・かんぱにい」という店があったんだ。「キャット・フィッシュ」の近くじゃないか。
とまあ、いろいろ味わい深い本なのであった。パラフィン、まいとこう。