ちょっと、あれこれ仕事と懸案事項が重なり、身動きとれないまま堤防が決壊しそうになる。ふだん、ぼおっと生きているので、息詰まる展開になると、とたんボロが出る。
開高健、なかなかうまく書けず焦る。年に三回だから、着手したとき、書き方を忘れているのだ。ほぼ書きあげた原稿を反古とする。これでは駄目だ。材料を集め過ぎて、うまくコントロールできないでいる。「上京」というテーマに立ち戻って、構成しなおすこと。骨組みはシンプルに。
茨木のり子の家』という写真+詩の本を、数日眺めている。家も人なり。ドアノブのアップなど、茨木のり子の住んだ家(今もそのまま残されている)を、茨木の所有物とともに紹介している。これがいい。まさしく茨木のり子の詩みたいな、清潔で真面目な家だ。谷川俊太郎が撮影したプロフィール写真がとてもいい。じつは、茨木のり子の詩は、そんなに好きじゃなかったのだが、岩波文庫版詩集を読むことで、ちょっと意識が変わった。いつか東伏見の家を訪ねてみよう。地図を見ると、いい散歩コースだ。