okatake2013-08-24

先日、「ぐろりや」展で買った洋絵本。『ちっちゃなスザンナ』は、ぼくの宗旨ちがいの買い物ながら、S社・資料室の廃棄本で、スタンプ、貸出しカードとサックがそのままついている。本自体は1937年の刊。著者はマーガレット・アンジェリ(表記はこれでいいかしらん)。じつは、この本、もう一つスタンプが捺してあって、どうも進駐軍が日本駐留の際、作った図書館にあった絵本らしい。占領下、日本の各地に進駐軍が図書館を作った。これを「CIE図書館」と呼ぶ(のち「アメリカ文化センター」と改称)。すごいのは、すべて開架式で、日本人も自由に出入りできた。当時、日本の公立図書館は、きほん、閉架式で煩雑な手続きのもと、ようやく現物が手渡された。進駐軍の図書館が、日本の公立図書館のありかたに多大な影響を与えたのである。
児童文学者の渡辺茂男は、静岡でCIE図書館に勤務。大阪では、東綿ビルが一時期、CIE図書館として接収されていた。全国に24ヵ所、設置されて、戦後日本人が手軽にアメリカについて学ぶのに、大いに寄与したのである。1950年代の入館者総数は240万人というからすごい。
以上「月刊情報グラネット」ほか、ネット検索で知った事実である。
ちなみに、この絵本、状態はたしかによくないが、本文ページはまったくきれいで、200円であった。図書カードには二人のS社の社員の名前がある。買ってよかった一冊で、ここに紹介した。
ぼくは元気です。