京都から帰ってきた。あまりの暑さで、下鴨で倒れそうになる。たくさんの人に出会えてよかった。東京からも知り合いがずいぶん来ていた。ちょっと進むと「あ、岡崎さん」と声をかけられ、そのつど立ち止って会話する。
感想はいろいろあるが、帰宅してすぐ、いきなり原稿の催促などがあり、うううう、と汗が噴き出した。
じつは、今回、ひさしぶりに青春18で京都まで行った。帰りもそうするつもりでいたが、さすがにめげて新幹線で帰ってきた。行きは綿密なスケジュールをたてて乗り継いでいったので、ほとんど始発で、乗り換えは6回。一列車だけ座れなかったが、あとはずっと座って京都到着。3冊、車中読書用の本を用意していったが、ほとんど読めなかった。
ぼくの夏休みはこれで終り。ひと寝入りして、夜からまたがんばります。
いちばんの収穫は、下鴨に来ていた海文堂・キタムラくんとひさしぶりに偶然会って、善行堂でゆっくり喋れたこと。キタムラくん、本に囲まれて仕事をしているのに、善行堂で、ずいぶん長い時間かけて、棚と対話していた。その姿が印象的で、ちょっとグッときました。
10日夜は京都平安ホテルで、大学の同窓会。5年ぶり。コース料理を食べるというぜいたくをする。二次会は地下の広いカラオケルームで。挨拶で、福岡で教師をしている(やたら教師の多いクラスなのだ)Mが、「5年前の自分の写真を見たら、今日着ている服装と同じだった」と笑わせてくれる。5年前には会えなかった女子も幾人か。30数年がそれぞれのなかで流れた。
帰りの新幹線で、下鴨でそのつもりで買ったロバート・B・パーカー『灰色の嵐』ハヤカワ文庫を読了。スペンサー・シリーズを読むのは何年ぶりか。おもしろかった。
僕は今回の帰省で、同窓会の知人諸君から、または下鴨や、そのほかで、ずいぶん多くの人から励ましを受けた。それだけでも帰った値打ちはあったのだ。グリル生研で「スムースランチ」を終えたあと、会計を済ませる山本をまっているあいだ、デコさんがするすると近づいてきて、静かに『en-taxi』の庄野潤三についての原稿を褒めてくださった。ことばは多くないが、表情や、眼から受け取る励ましの力は強く、強い陽射しがこのとき、少し爽やかに感じた。単純ですねえ、と思われるかもしれないが、そう、単純なのだ。ありがたい、のだ。
林哲夫大兄が、さっそくブログで、下鴨の風景を写真でスケッチしアップしてくださっています。
http://sumus.exblog.jp/