朝、ひさしぶりに玉川上水さんぽ。風は強いが、気持いい。うぐいすほか、鳥が鳴き交う。樹々がさわぐ。
玉川上水駅まで歩いて、西武線で鷹の台まで戻り、ロッテリアで深煎りコーヒーを注文し休憩。持参した森鴎外選集一を開き、短篇「金貨」を読む。飲ん兵衛の左官、八が行き暮れて、軍人の家に深夜忍び込む。飲み残しの酒を意地汚く飲み、すっかりヨッパライと、落語みたいな話。しかし、巧いもんですねえ。書き出しはこんなふう。
左官の八は、裏を返して縫ひ直して、継の上に継を当てた半(原文は正字)纏を着て、千駄ヶ谷の停車場脇の坂の下に」と、コロコロ転がるようなレトリック。
ううん、とうなる。
また少し歩いて、自転車を止めた公園へ。このあと、昼飯くいがてら国立駅前へ。「ビブリオ」十松くんに連絡をとり、ちょうどギャラリーにいるということで、訪ねて行って情報交換。今年7月、去年、プレオープンで岡崎武志一人古本市をしてから一周年だという。またやりたいのだが、ちょっと、準備を含めて、いま、その気力がない。
アマゾンで一冊とどく。探している作家の本、足で探すが見つからず、しびれをきらしてこれで三冊目。
今週あたり、店頭にちくま文庫新刊『昭和三十年代の匂い』が並ぶと思います。ここだけの話ですが、この本、ちょっと面白いですよ。
ではでは。