出版関係者の団体で宿泊することになり、部屋割りで番号のついたキーをもらったが、たどりついてみると、亀の甲羅みたいな鉄製のリュックぐらいの大きさのロッカー(とも呼べない)に番号が振ってあり、要するに、泊まれる部屋はなく、これが宿泊者が使える権利ということらしいが、こんなにひどいホテル(宿屋)は経験したことがないな、という夢を見た。
珍しく携帯に二本仕事の電話。一件は、某紙から「太田光の小説を読んだことがあるか? あれば感想を」というものだったが、読んでいない。でもちょっと話をする。どうも、ラジオで、太田が村上春樹の新作を酷評したらしいのだ。いいじゃないか、酷評しても、と思いますが、今朝の「朝日」掲載の村上春樹講演の抜粋によれば、「時々腹を立てる読者もいると思う。全部気に入っていただく必要はない」と言い、ただ手抜きしていないこと、一生懸命やっていることを理解してほしいみたいな発言があったようだ。それも変な話ですよ、と思う。
亀和田武さんの新刊エッセイ集『夢でまた逢えたら』(光文社)がたいそう面白かった。亀和田さんは8つぐらい先輩だが、業界のデビューも早く、放送界を含め、雑誌業界など、いちばん元気のあった70年代から80年代を、当時は傍系にありながら、いま見ると真芯を生き、重要な人物と多く袖刷り合っている。ナンシー関佐野洋子森田健作、目黒孝二、嵐山光三郎片岡義男ビートたけし鈴木いづみなど、明滅するスターたちとの交遊話が楽しい。堺屋太一とプロレスなど、意外な話もちらほら。手塚治虫との邂逅など、ただ溜め息が出るほどうらやましい。