12月19日のコクテイルライブで、ぴっぽさん、北條くんと今年いちねんを振り返ったとき、お二人は、あっというまだったと言っていたが、こないだうちからスケジュール帳を見なおしてみて、ぼくは、いやあ、じゅうぶん一年分ぐらいあったな、今年は。という感想だ。
マイブームとしては、今年はなんといっても前川恒雄『図書館ひまわり号』に感動し、あちこちで公立図書館について喋ったり、図書館関係の本を読んだりしてきた。その『ひまわり号』を、探しに探して、秋の智恩寺古本市で見つけたことが、古本に関しては最大の想い出か。
アポロ13号」奇跡の生還もドキュメントを見て興奮し、本を読んだり、映画を見直したり、これも一時興奮していた。
若桑みどりの「それが私の覚醒だった」という一文についても、コラムに書いたり、いくつかの場所で文章を朗読したりした。
堺正章さんに三回、取材でお目にかかったのも大切な経験。
中尾務さんの依頼で、茨木市中央図書館で講演をし、その準備で、ずいぶん関西の作家詩人の本を買ったし、よく読んだ。ずいぶん勉強しました。
それにあわせて、高校時代の同窓会が開かれて、これもありがたかった。
今年もラジオや大学などでもおしゃべりする機会もあり、書くだけではなく、喋ることも大事な営業品目となっている。
水玉さんの御誘いで、連続して柳家三三北村薫とのコラボによる落語会に通ったのもいい思い出。
今年もまた、いろんな本を紹介してきた。藤子不二雄Aさんの本を書評して、絵葉書の礼状をもらったのもうれしかった。藤井淑禎さんからも書評の礼状をいただいた。これはできそうで、なかなかできないことで、ありがたいことだった。
そうそう「赤旗」で、ひさしぶりに角田光代さんと対談したのだった。しかし『古本道場』は単行本も文庫も古本屋ではあまり見ないですね。
そうだ、久世光彦さんの七回忌パーティで、中村勘三郎さんをお見かけした。あのときは、まさかこんな結末が待っているとは思いもしなかった。目の前の席にいたのが道尾秀介さんだった。                                                            「欲を言やあ、きりがないよ」「そうでさあ、わたしらいい方ですらあ」という「麦秋」のセリフを、いつも忘れぬように。謙虚に、いい仕事をしていきたい。
善行堂のブログで気になっていた、急逝されたWさんのこと、山本と電話で少し話す。ちょうど、ぼくが善行堂へ行っていた時もお店に見えられていて、二人が話しているのを横でずっと聞いてらした。そんなことがあったのだ。ぼくと山本が二人で話すのを聞いて、よろこんで下さっていた。善行堂のいいお客さんであるとともに、二人の書くものについてのいい読者でもあったのだ。ご冥福をお祈りするしかない。
今夜の気分はやっぱりこの歌だ。