危険水域を越え、何年かぶりかの断酒。三日続いたが、呑まなければ呑まないで、なんとかなるもんだ。一杯だけならいいか、と思う心を抑えるのが秘訣。朝の目覚めもいい。外では呑みますよ。家飲みは、吉田健一が強く戒めることであった。
サン毎「いちおし」は大崎善生『赦す人』。団鬼六の生涯を描くノンフィクション。五億の御殿を手放し、世田谷の小さな借家にお住まいの頃の団鬼六先生を取材した日のことを思い出す。
昨夜遅く、北海道新聞書評、横山秀夫『64』を送る。八百字弱の難しさをあらためて実感する。なんとなく、八百字の流れの呼吸は身についているが、それでも流し込む材料と、言っておかなければいけないこと、読みどころと、自分なりの意見をうまく配分するのが、やっぱり難しい。『64』は、年末年始、仕事を忘れて没頭して読む本として最適ではないか。