『上京する文學』序とあとがき送付。残されたわずかな力も尽き果てる厳しい仕事だった。厳しくない仕事などないではないか、甘えではないかと言わればその通り。その通りなのだが。一週間ほど、山のなかでぼーっとしたい気分なり。できあがりには自信がある、と言いたいところだが、雑用を含め、あれこれやることが多すぎて、本文について、うまく考えることができない。再校でもう一度読み、本になったとき、もう一度読んで、うまく身体になじむかもしれない。
「ホットモット」の「のり弁」が、いま270円ですよと教えられ、買いにいく。「のり弁」はひさしぶりなり。敷き詰めたごはんの上におかか、その上からのり、魚のフライ、竹輪の天ぷら、ごぼうのきんぴら、漬物が乗っている。これで一つの疑いない世界観が形成されている感じだ。野菜が少ないので、できればサラダをつけたい。一昨日の残りのカレーを解凍し、かけて食べる。カロリー取り過ぎなので、ごはんは少し減らす。
高倉健は、朝、オートミールとヨーグルト、昼は抜き、あと夜という二食主義で、撮影中は好きな甘いものも摂らない。東京の、高級理容店に個室を持っており、東京にいるかぎり、毎日のようにそこへ通う。私服もそこにあり、連絡もそこに行くというから事務所がわり。ロケ地の住民にも、親しく接し、とても親切。スタッフや共演者をなごませるなど、気の遣い方も一流。撮影は、テスト一回、本番一回が基本。そこへ集中力を高めていく。役になりきる、というより、役のなかに生きる、という感じか。おそるべき81歳で、長い斜面の階段もスタスタ上っていく。体重やウエストもここ数十年かわりがない。