昨日、高円寺改札で新日文Kさんと待ち合わせ。一晩で目を通しチェックした校正済み分と、平行して自分で手を入れた初校ゲラ二種を手渡す。本日、長い「序」と「あとがき」を書き終えたら、いよいよ『上京する文學』の大詰め。新日文が作ってくれた宣伝チラシをもらう。「うちでもこの本にはチカラを入れているんですよ」と言われ、ありがたいと思う。
目の前の高校が文化祭、体育祭。連日、堪え難き喧噪と混雑が続く。70歳ぐらいになったら、ステッキを振り回して怒鳴り散らす老人と化しているかもしれない。毎年、この時期だけシーズンはずれのペンションなどに避難することを考える。
アンドレ・シフリン 高村幸治訳『出版と政治の戦後史』をトランスビューからいただく。「ナチの迫害、アメリカへの亡命、貧困、赤狩り、戦争、さらには自ら選んだ出版界の絶望的な変質――幾多の試煉を乗り越え、米国とヨーロッパの知的世界を結び、人間精神の輝きを数多の書物に結晶させた、希有の出版人の自伝」と帯にある。装幀は間村俊一。カバーに著者の写真があるが、穏やかな眼差しのなかに強い意志を秘めた、なんともいい顔(1935年生まれ)。父親はガリマールでプレイアッド叢書を作った敏腕の編集者、だったようだ。