児童文学者でエッセイストの奥田継夫さんが上京される、と連絡を受け、昨日雨のなか、御茶ノ水へ。長年お世話になっている学事出版で編集長のHさん、奥田先生と会う。そのあと、飲みに。
学事で「月刊ホームルーム」を編集しているとき、奥田先生に映画エッセイを連載してもらっていた。それはいま、ポプラ社で本にまとまっている。そのことを恩義に感じていただいていて、いまだに感謝されるのだが面映い。奥田先生が大阪キタでかつて経営していたバー「みーる」は、大阪の文壇バー。作家ほか、各新聞社の記者たちが集った店。「もう、みんな辞めてしもうて、いま、新聞社行っても知り合い、おらへん」と言う。「手塚治虫さんも来たんやで」とそれは初耳。
学事出版のすぐ脇に湯島聖堂がある。いっとき、毎日のような同出版社へ通っていたので、この一画には深くなじみがある。この日も、周囲をぐるりと一周。聖堂内にあるこんもりとした樹々が雨に濡れて美しい。
御茶ノ水丸善」で、三浦しをん舟を編む』光文社を買う。「赤旗」連載のネタとして。「丸善」は入口近くにあったレジを取払い、奥のレジに集中させ、売り場を拡張していた。レジに並んだら、受け付けた店員が新人(研修中)。一つひとつの動作が危なっかしい。領収書発行のため、エプロンのポケットに入れたハンコがなかなか出ず、出たら取り落としそうに。「だいじょうぶ、だいじょうぶ、ゆっくりやればいいよ」と心のなかで声をかける。丸善の書皮をかけてもらって、あとで見たらスリップが抜かれてなかった。
ネギさんから、「本の雑誌」今月号に『ご家庭にあった本』が取り上げられています、と教えられ、チェックしなきゃと思いつつ、本屋へ行くと忘れてしまう。この日も、ネタ探しに没頭し失念。こうして書いておけば、忘れないだろう。