昨日は草月ホールで「柳家三三」。北村薫の「円紫師匠と私」シリーズを、アレンジして朗読+作品に出て来る落語の演目を口演するという試み。ネギさん、水玉さん、キリノさん、退屈くん、牛越ちゃんと観る。
すぐ近くの「流水書房」にも、ようやく寄れた。庄野兄弟のコーナーや、坪内祐三さん一気平積みなど、さすがの品揃え。記念にこれは知らなかった状況新書、加藤登紀子『登紀子1968年を語る』を買う。
落語が終わって、近くの駅ビル居酒屋でみんなで飲む。今夜は中央線が一部全面ストップで、西武池袋線から東大和へ。そこから深夜、40分かけて歩いて帰る。
今日はいい天気。「みちくさ」へこれから参戦します。新作「おみくじ」を用意して、みなさんをお待ちしております。
「みちくさ」から無事帰還。用意した本の半分は売っただろうか。とにかく天候がよくて、正午過ぎたあたりから少し曇り、風が出て気持ちいい。たくさんのお客さんとおしゃべりして、日曜日が終わる。
三三さんの落語会ですが、朗読と書いたが、これは正確ではなく、小説をもとに作った脚本をすべて暗記して、一人芝居のように演じた、という方が正しい。おそるべき咀嚼力と記憶力だ。新作落語なら、これからも高座にかけられるが、これは一回かぎり、もしくは再演として数回しか使えない。そのために、費やした努力と気力を買う。それも昼夜二回口演。
予習のため、北村薫を事前にひさしぶりに読んだのだが、それが神保町「ぶらじる」で、原作として使われた「朧夜の底」は、神保町が舞台になっているからリアル度満点。本をさかさまに、という本屋はどうも三省堂みたい。その三省堂の書店員だった退屈くんは、どんな気持ちで話を聞いていただろう。
ひさしぶりに、夜、ジャズ。コルトレーンが「チム・チム・チェリー」を吹いたのと、シェリー・マンの「マイ・フェア・レディ」、ソニー・クラーク「SONNY'S CRIB」。
詩人の杉山平一さんが亡くなったことを「朝日」で知る。享年97。お年に不足はない。ご冥福をお祈りする。ぼくが関西の同人誌「トプカプ宮殿」に書いた小津論を、ある新聞の詩誌同人誌評で、まとまった行数を割いて褒めてくださったのが杉山さん。活字で取り上げられたのはこれが初めて。うれしかったし、励みになった。大げさではなく、当時のぼくは、未来は霧のなか、あるいは茫漠たる闇で、そこに火が灯ったような思いがしたものだ。人は、「最初」を決して忘れない。