okatake2012-01-29

日曜美術館」再放送の「木村伊兵衛のパリ」にしびれた。半世紀前のパリを、日本で開発されたばかりのカラーフィルムのテストを兼ねて、木村伊兵衛が外遊する。いちばん気に入ったのがパリの下町だった。木村を案内したのがドアノー。「太陽」木村伊兵衛特集号でアラーキーが言うには、娼家に案内された木村が、ドアノーから手渡された紙を、オンナに見せろと言われてみせたら、いきなり階段からけり落とされた。どうやら、紙には「クソババア」なんて悪口が書かれていたらしい。ドアノーはそんな茶目っ気があった。
当時、カラーフィルムの感度はASA10なんて、信じられない低いものだった。いまはASAと言わず、ISOというようだが、それでも、素人でも400とかを使う。しかし、感度がいいフィルムではおそらく出ない「味」が、木村のパリ写真にあるのは、ライカの一眼で撮った緒川たまきの写真に比べるとよくわかる。ライカ、やっぱりかっこいいですねえ。中古でいいから欲しくなった。「太陽」木村伊兵衛特集号をずっと見てる。こういうとき、すぐ本や雑誌が出てくるようにしなきゃあ。木村伊兵衛の「パリ」写真集は4万円以上するようだ。