okatake2011-12-16

市川森一さんが亡くなった。ぼくは、いま調べたら1992年のことだが、フリーライターになってまもなく、中島丈博監督「おこげ」のパンフレットに、ライターとして参加し、市川さん、それに山田太一筒井ともみ諸氏の座談会をまとめる仕事をした。その座談会の席で、市川さんにお目にかかっている。「あ、『ブースカ』と『傷だらけの天使』の市川さんだ」とカンゲキしたのだ。三谷幸喜の朝日の連載を読むと、NHKの「新・坊っちゃん」も市川森一だったんだ。これは、西田敏行という新人俳優に注目した思い出深いドラマで、ぜひもう一度観てみたい。座談会は、顔ぶれがすごすぎて、緊張してお茶をこぼしてしまって、ひと騒ぎになったことを覚えている。「あーあ(なにやってんだ、タコ)」という空気のなか、市川さんが「だいじょうぶ?」と優しく声をかけてくれたのだ。市川さんは諫早出身。一度、野呂邦暢の話をさせてもらいたかった。
http://www.yomiuri.co.jp/book/news/20111215-OYT8T00285.htm?from=os4
「古書通信」12月号連載に思いがけないサッポロ行きのこと、「週刊ブックレビュー 20周年ブックガイド』(NHKサービスセンター)に、一ページ「今年の3冊」について書いています。来年一月、「ブックレビュー」の御誘いを受け、出演が決っています。
昭和初期の講談社の雑誌広告でよく目にした、謎の飲料「どりこの」について調べた本が出ている。宮島英紀『伝説の「どりこの」』角川書店
「つん堂」さんが登場するまで、こちらが、古本界最強の裏方、だった「書肆紅屋」さん。しばらくブログを閉じておられたが、最近、少しずつ蛇口を弛めて、また濃い「本」「古本」状況をレポートされています。いろいろ、事情がおありみたいで、無理せず、また弱小となりつつ業界を励ましていただきたい。
http://d.hatena.ne.jp/beniya/
今日はサンデー毎日。「コミガレ」で金子光晴『詩人』講談社文芸文庫。神保町を泳いでいると、中嶋くんにバッタリ。五反田から回ってきたという。そうか、五反田か。長らく行ってないな。いつもでもうじうじしているのもばからしい。よし、行こうと決める。ひとから教えられて確認したが、ほんとだ、三省堂の新書売上げベスト5に『古本道入門』が入っている。これが全国でも同じなら、来年は海外旅行へ行けるところだが。地元とはいえ、たくさん売ってくださって、三省堂さん、ありがとうございます。
サン毎終えて、五反田。いやあ、ひさしぶりだ。古書一路さんや月の輪さんに挨拶。ユーセンくんも頑張って買っている。いいなあ。いったい何冊買ったか、『文庫で読めない昭和名作短篇小説』、『名短篇 新潮創刊一〇〇周年』はどちらも荒川洋治さんの責任編集。松岡正剛『ルナティックス』、トリュフォー『わが人生わが映画』、花田清輝『新編 映画的思考』講談社文芸文庫などを買う。ふつうはこのまま五反田駅へ戻るが、今日は、夜の「スタンバイ」忘年会まで時間があるので、反対に白金台駅へ向って住宅街の坂を上る。寺町を抜け、目黒通りへ出て、初めて白金台「ブックオフ」を探訪。ほんとだ、おしゃれなカフェが併設されている。単行本は200円だ。地下の半分が洋書、というのがすごい。500円CDコーナーにジャズの古典的名作がけっこう散見できた(いずれも所持しているので買わないが、持ってない人ならお得)。文庫棚から藤田嗣治『腕一本/巴里の横顔』講談社文芸文庫、単行本から細野晴臣アンビエント・ドライヴァー』を。忘年会では、隣りに座った嶌さんと黒岩サンの話をする。黒岩さんがフリーになってすぐ、あれこれ嶌さんが面倒みたらしい。「あなたの顔を、最近、どこかで大きく見たよ」というのは、お別れの会で流れたトークの映像のことだ。