筑摩書房から坪内祐三さんの新刊『探訪記者 松崎天民』が出ました。装幀は南伸坊さん。初出の第一部「ちくま」連載が始まったのが1996年で、第二部が2001年、単行本化のために「エピローグ」を書いたのが2010年。足掛け14年にわたる仕事になった。途中、とぎれると、書く側の意識もいったん途切れるから、回復に時間がかかるが、一冊の本にまとまるまで粘り強く執筆を続けたのは、坪内さんの「天民」に対する思いの強さだろう。ぼくも天民は何冊か持っているが、ちゃんと読んでいない。この『探訪記者』を読むことが、天民に触れるいいチャンス。
サンデー毎日」に、どうにか、丸谷才一『持ち重りする薔薇の花』書評を書く。