昨夜は深酒。いかんなあ。
TBS放送原稿は、堂場瞬一『ヒート』実業之日本社を紹介。「東海道ラソン」で世界最高タイムを出す、という神奈川県の威信をかけてのプロジェクトを巡る男たちの物語。おもしろくて、半日で読んだ。「大阪人」司馬遼太郎特集で、対談集五冊を紹介する原稿。これは本を集めるのと、選ぶのに時間がかかった。なんとか送付。
川本三郎さんから『君のいない食卓』(新潮社)という「食」のエッセイ集をいただく。グルメというより、何気ない日常の食事のなかから、過去の記憶をさぐりだす。川本さんが小学四年生のとき「問題児」だった、と初めて知った。担任の教師とそりがあわず、あきらかに意地悪をされていた。ぼくも小三のとき、担任教師がほんとうにひどい奴で、標的にされるように意地悪されたが、途中で転校したので、深い傷を残さずに済んだ。考えてみれば、小は持ち上がりがあるが、中高と十人以上の「担任」と出会うわけで、何かの行き違いから、一人ぐらい関係が悪くなることはあり得る。家庭教師をしていたとき、生徒の家で、初めて「うな重」を食べた話が微笑ましい。装幀と挿し絵は川口澄子。

京阪神エルマガジン社からは、仲俣暁生『再起動せよと雑誌はいう』が送られてくる。ありがとう。すぐ、読みました。めちゃくちゃおもしろかった。2009年からミーツ、Lマガに連載された雑誌時評だが、切り込みかたと分析能力、それに雑誌の未来を見据える力が非常に高い。「TV Bros.」なんて、いじりにくいような気もするが、「ただのテレビ情報誌でもコラム雑誌でもなく、先端的なカルチャーに触れたいけれど、そこに行き着く方法を知らない若い読者のためのカルチャーガイドなのだ」という着地点に納得。赤田祐一氏とのコテコテの雑誌対談もある。薄いカラー印刷のコラムは、視力の衰えたおっさんにはちょっと読みにくかった。あと、「クウネル」への言及がなかったな。見落としたか。「鉄道ファン」が公称だが、21万5000部、という部数にもびっくり。表紙デザインとレイアウトも褒めている。