昨日、夜、西荻ブックマーク。『本と怠け者』の荻原魚雷くんとトーク。魚雷くんのもの静かな所作と内面の強いこだわり、後ろ向きな発言もキュートで、場内、魚雷の魅力がさくれつ、の夜ではなかったでしょうか。いつもながら、お客さんの顔ぶれの三分の二は知り合い。女性が少なかった。同じ頃、立川「オリオン書房」で展開されていたハルミン・ナリコのトークに女性客が取られてしまったでしょうか。
写真とトークの模様は、いつもながら「つん堂」さんがアップしてくれています。
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トークの進行、楽々やっているように見えるかもしれませんが、じつはメモを作り、時間配分など、頭はキンキンに緊張してやっている。終わると、いつも完全脱力だ。
打ち上げは、マーレのまん前にできた居酒屋「段」。便利だな。モツ煮込み豆腐がおいしい。わいわいガヤガヤと11時まで飲み食い。立川オリオンからハルミンさんと石田千さんが流れて駆けつけてくれる。豪華なゲスト。終盤間近に、魚雷くんもボクも毒を吐く。忘れられず、許せない体験について。こんなに真面目に、一生懸命やっているのに、人をそしったり、バカにしたり、おとしめたりする奴がいる。そのことについて、魚雷くんも心底怒り、ぼくも怒った。残り人生ぜんぶ賭けても、怒ることは怒ったほうがいい。つまらぬ奴は相手にするな、と言われそうだが、そうはいかない。魚雷くん、ちゃんと怒ろう。ぼくも怒るし、忘れない。
そんな話をしていたら、ネギさんもつん堂さんも、それぞれの職場で、どうにもやり場のない怒りを抱きつつ、仕事をしていることがわかった。そういったことが、ちょっと慰めになるんですね。魚雷くんの「声が小さい」問題は、トークでもしたが、しかし、声が大きい奴がけっきょく勝つという世の中はバカバカしいし、愚劣だ。声が小さい人の声に耳を傾ける、そんな世の中でありたい。大声を出さぬ魚雷くんが魅力的であることは、みなさん、ごぞんじ。
未来社Aさんが、「岡崎さん、質問があるんです。いま、文壇ってあるんですか?」と聞いたが、ちゃんと答えられなかった。高見順吉行淳之介江藤淳が生きていた時代にはあったような文壇は、もう消滅してるんでしょうね。
NHKディープピープル」売れっ子脚本家三人の話がおもしろかった。やっぱり山田太一、なんですね。影響を受けたのは。「早春スケッチブック」に、みな衝撃を受けたが、じつは視聴率は悪かった、という。
陽水「長い坂の絵のフレーム」がこのところ好きだ。