三時のぼく

朝、早起きして、ギリギリまで光文社新書メルマガ「蔵書の苦しみ」、根岸さん宅の原稿を書いて送付。あわてて外出。御茶ノ水へ。駅前の中華で中丼700円。甘めの味付けは悪くないが、具材が大きく、食べづらい。
書窓展、ひさしぶりに、ぼくのストライクゾーンの古本らしい古本を買う。『報知新聞一日一題 ナンセンス・ジャパン』昭和五年、千倉書房を「みはる」で1000
円で。同じ報知新聞と千倉書房のコンビで、寺田瑛『談話室』というシリーズがあり、これを集めているが、その流れだからうれしい。初めて見た。日常の世相と風俗を写すコント集。
タテキンで、これは池内紀さんの最初の仕事か、思潮社カール・クラウス詩集』300円。手に取ってみてると、ぼくは入らない店内から知ってる顔が挨拶。おやおや。書窓展でも知ってる顔にひさしぶりに会った。なんでも骨董フェステバルで仕入れた版画をオドロキの高価格で売り抜いたらしい。うらやましい。
コミガレには、カバーと函がことごとくないが、いいラインの現代詩集が大量に出ていた。吉岡実石原吉郎など。しかし、買えずにぼんやりしていたら、コウノとハルミンさんに呼びかけられた。ハルミンさんから、出たばかりの『三時のわたし』本の雑誌社をもらう。昨年一年、365日の午後3時にナニをしていたか、短文とイラストでつづった本。辞書サイズの造本もいい感じ。ハルミンさん、例の着物の裾を引きずるような喋り方で、「あのう、おかざきさんも出てくるんですぅ。ちょうど、ここ(コミガレ)のこと書いたときです」という。後で見たら、ほんとだ。
サンデー毎日で、仕事を終え、書評一本、自分で選んだ小野民樹新藤兼人伝』白水社を引き受けてくる。新藤の仕事では、僕が一番好きな「狼」。殿山泰司も一番好きと書いてあった、うれしい。
帰りの東西線、ずっと『三時のわたし』(「三時のあなた」に掛けてるんでしょうね)を楽しく読んでいたら、中野で地上に出たら雨。荻窪で下車したら、ゲリラ豪雨に。時計を見たら「三時」だった。今日の「三時のわたし」は荻窪ゲリラ豪雨。「ブ」で探したい本があったが見つからず。ちょこちょこっと買い物。
帰り、西荻にも下車。「なづな屋」で補充と精算。「音羽館」で外となかでゴソゴソ買い、広瀬くんと「赤レンガ」でお茶。中央線の今後など話す。
夜、小津の「風の中の牡鶏」をDVDで観る。ひさしぶり。荒川放水路田中絹代とその友人、隅田川の月島側、勝鬨橋の見える川辺で、佐野周二と身を売る女と、ツーショット二例が印象に残った。