グレン・グールドばかり聞いている。

9日、はりきって小平中央図書館公民館へ。年にいちどの古本バザー。石原くん曰く「パラダイス」。10時開場の30分前ぐらいに行ったがすでに長蛇の列。あの顔、この顔もいる。節電で低く設定したクーラーがまったくきかない熱気のなか、勝負は開始15分。単行本50円、文庫と新書が30円。で、じつは今日も午前中、ちょっと行ったけど、二日で100册くらい買う。洲之内徹も三冊買った。
9日夜は荻窪「かん芸館」で新阿佐ヶ谷会。出たばかりの青柳いづみこさん『グレン・グールド 未来のピアニスト』(筑摩書房)にあわせ、青柳さんによるピアノ演奏と、グレン・グールドのレア音源を聞きながら、グールドについて青柳さんが語る。メモを取りながら聞いたが、非常に刺激的な話であった。1947年のグールドによる演奏は、彼のトレードマークとも言うべき、無機質、うなり声が入るなどの特徴はまだ見られず、後期ロマン派のうたいあげる調子。これが50年代から60年代からモダニズム一辺倒の風潮に変わり、そのなかで、いかようにも弾けるグールドは、自分のスタイルを改造していった。
ひさしぶりの新阿佐ヶ谷会、川本三郎さん、木山萬里さんなども出席、後半飲み会になる。有志で「だいこん屋」へ移動して二次会。国書刊行会の若い編集者Iくんと、京都のことなどあれこれ話す。このところ、会う人ごとに、長野で店を出さないかと勧めている。
金曜銀座、土曜は荻窪阿佐ヶ谷で、週末、最近にない散財をしてしまった。
司修『本の魔法』白水社、をひたすら読む。河出の名編集者と言われた飯田貴司の名が、何度も出てくる。定年になってすぐ、ガンで61で亡くなった。
藤田三男龍円正憲、岡村貴千次郎など、河出には名物編集者がたくさんいた。岡村は日夏全集を作ってその名を残す。そういえば、「だいこん屋」でも、日夏全集の話が出ていたな。
うちに5、6枚、グールドのCDがあり、それを引っ張り出してきて、ずっと聞いている。地下は、地上より2、3度低く、いまのところ、冷房いらず。