昨日紹介した「文藝春秋」2月号に、「時代を創った女」連載1として松任谷由実が取り上げられている。書き手は柳澤健。デビューのいきさつから、時代への浸透の仕方、若い女性の支持、挫折など盛り込まれている。「赤いスイートピー」は松本隆に乞われて、ユーミン呉田軽穂ペンネームで楽曲を提供して、それまで男子ファン一辺倒で女子に嫌われていた(可愛子ぶりっこ)聖子に女性ファンが一挙増える。松田聖子松本隆松任谷由実、編曲・松任谷正隆という四人の「松」が作り出す世界、と言われて、あれえ、本当だ。そうなのか、と意外だったのが、「紅雀」以降、70年代後半に出したアルバムがいずれもセールスが伸びなかったこと。「サーフ&スノウ」で息を吹き返す。「DANCING SUN」で史上最高の217万枚を売る。ところが、2009年に出たアルバム「そしてもう一度夢見るだろう」は、なんと11万6000枚 。「声もやや低くなった。/しかし、そんなユーミンが歌う哀しい曲は、だからこそ凄絶に美しい」と柳澤は言う。「店じまいするのは簡単だけど、弛むことなく、ずっとやり続けていれば、新しいジェネレーションに出会えるかもしれない」というユーミンのことばがさすが、すごい。コンサートで一番人気は、意外や、というか、そうなのか「DESUTEINY」だという。埋め込みができないので、共有コードを掲げておきます。
http://youtu.be/sPhtbViN
いちにち、木村荘八について、あれこれ考え、書いたが、着地しなかった。五月から、また毎日新聞夕刊「あった、あった。」が再開、と聞き、ほっとする。佐藤泰志『黄金の服』を読む。一ツ橋大の生協で働いていた時代の体験を生かした作品など。